オオキンケイギクの駆除作業

6月1日、緑区大島の相模川河川敷で、特定外来生物に指定されているオオキンケイギクの駆除作業が行われました。これは、エコパークさがみはらの自然環境観察員の有志が、相模原市水みどり環境課へ要請して実施されたものです。
なぜこの場所かというと、相模川を代表する絶滅危惧種のカワラノギクの保全圃場があり、その周囲を取り囲むようにオオキンケイギクが繁茂してしまっているからです。

オオキンケイギク 見事な咲きっぷりですが、増えては困る植物です

ここ数年で明らかに増加しており、駆除が行われることになりました。作業には、桂川・相模川流域協議会や、さがみはら緑の風(自然観察指導員相模原連絡会)のみなさんなどが参加されました。

根っこから引き抜きました

大汗をかきながらの作業を1時間ほど行い、駆除したオオキンケイギクは40袋以上となりました。

本日の成果

特定外来生物は、生きた状態での移動が禁じられているので、この袋はゴミ収集車が回収します。今回はオオキンケイギクに絞った駆除作業でしたが、じつは、この河原の絶滅危惧種はカワラノギクだけではありませんし、外来植物もオオキンケイギクだけではありません。河原特有の環境に生育する植物にとって脅威となる外来植物はまだまだたくさんあり、今後も注意深く見守っていきたいと思います。
(生物担当学芸員)

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6月1日 カイコ2日目 飼育展示開始!

給桑開始から2日目6月1日、飼育展示を開始しました!

飼育展示の様子

1階エントランスの休憩コーナー脇に設置していますので、ご来館の際にはぜひお立ち寄りください。ただし、さすがにまだとても小さいので、ルーペ越しでも見るのに一苦労です。

ルーペごしでなんとか見えるかな?

ただし、カイコの成長はすさまじいです。昨日の朝、給桑開始直前に3mm弱だったものが、1日経った今朝には4mmに成長していました。約1.5倍!

6月1日朝、約4mm!

体つきもカイコらしくなっています!

すでにカイコらしい体つきに

日に日に成長していくカイコをぜひ見に来てください。
(生物担当学芸員)

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今年もカイコ始まりました!

毎年恒例の、カイコの飼育が始まりました!5月31日に給桑を開始、6月1日から飼育展示を開始します。写真は、給桑を開始した瞬間です。種紙(たねがみ:卵が産み付けられた紙)のまわりにいたふ化直後の幼虫が、クワの葉をそっと乗せた瞬間から葉の方へと寄っていきます。

種紙のそばでおとなしくしているカイコの幼虫

クワの葉を置いた瞬間に葉の方へと移動します

クワの葉のにおいに反応しているのでしょう。ものの数分で、ほとんどのカイコが葉の上へと移動しました。

すぐに食べ始めます

ふ化直後の1齢幼虫は、毛が生えていることから「毛蚕(けご)」と呼ばれます。体も黒く見えますが、これが、丸1日食べ続けると長さは1.5倍ほどになり、色も白黒のまだらに見えてきます。
そして、蚕種(さんしゅ:カイコの卵)を提供した学校への出張授業も始まりました。こちらは作の口小での授業の様子です。

カイコの授業の様子

クイズなどを交えながら、カイコを飼うにあたっての注意点だけでなく、カイコの飼育はペットを育てるのとは異なり、農作業であることなどを伝えました。

カイコの目はどれかな?

これから約1か月、カイコと共に過ごす日々が続きます。
(生物担当学芸員)

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【明日から開催】相模原に生まれた偉人 尾崎行雄(咢堂)新規収蔵資料展

先日、当館ホームページ等で情報解禁したところですが、明日6月1日(土)からミニ企画展「相模原に生まれた偉人 尾崎行雄(咢堂)新規収蔵資料展」を開催します。
この展示では、緑区又野出身の政治家で、本市が誇る郷土の偉人・尾崎行雄ゆかりの新規収蔵資料を一挙に紹介します。

相模原に生まれた偉人 尾崎行雄(咢堂)新規収蔵資料展

会場となる当館の特別展示室では、明日からの開催に向けて準備が大詰めです。フライング気味ではありますが、会場の設営状況を少しだけお見せします。

奥のウォールケース内にずらりと並んだ資料が見えます…

日頃から当館では、尾崎に関する資料を広く収集し、保存・活用していますが、こうした取り組みを多くの方に知っていただけたようで、令和5年度だけで9件もの寄贈のお申し出をいただきました。
新たに迎えた資料をいち早く皆さまにご覧いただける機会を提供したいと考え、“新規収蔵資料展”と題した展示を企画しました。

このため、本ミニ企画展は昨年度1年間で受け入れた正真正銘の新規収蔵資料のみを展示し、初公開の資料も多数列品しています。
中には、令和5(2023)年3月をもって閉校した市立鳥屋小学校(現在は市立鳥屋学園に統合)の校長室に掛けられていた扁額(へんがく)など、尾崎と地域との繋がりを感じられる資料もご覧いただけます。

尾崎咢堂・筆「澤如時雨(※)」(受け入れ時の状況)

会期中は、このブログで担当者的コーナー別の見どころポイントを紹介する予定ですので、引き続きご確認いただければと思います。

また、会場内では国際課による「ヒロシマ『原爆の絵』展」も同時開催します。ご来場の際はあわせてご観覧ください。

(歴史担当学芸員)

※当該資料の名称について、ポスター等で「澤如俄雨」と表記しておりましたが、正しくは「澤如時雨」となります。訂正してお詫び申し上げます。

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イワツバメのコロニー

エコーパークさがみはら(市立環境情報センター)の自然環境観察員制度の今年度の全体調査は、ツバメの巣の分布調査です。そこで5月29日、博物館近くの公共施設へ調査へ出向きました。ここはずっとイワツバメ、あるいはヒメアマツバメが営巣しています。
今年も1階の軒下部分に、イワツバメのコロニー(集団営巣地)がありました。

ヒナへ餌を与えるイワツバメ

巣内からはヒナが顔を出していて、この大きさならおそらく1週間以内に巣立ちそうです。

巣から顔を出すイワツバメのヒナ

営巣中の巣は建物の何カ所にも分かれてたくさんあり、少なくとも合わせて20巣以上ありそうでした。巣を作っている個体もいます。

巣を作っているイワツバメ

イワツバメの巣材は、泥です。これに植物の繊維などを混ぜながら巣を積み上げていきます。

巣材を集めているイワツバメ(別の場所で撮影)

ところで、かつて2階より上に営巣していたヒメアマツバメの姿はありませんでした。飛んでいる様子もなかったので、現在は営巣していないようです。
イワツバメの巣のそばには、ドバトと思われる巣もありました。

ドバトと思われる巣

敷地内では、メスにアピールするオスのドバトの姿も・・

メス(左)へ必死にアピールするオス(右)のドバト

メスはつれなくその場を離れていたので、オスの求愛は不成功に終わったようです。
イワツバメは現在、市内では限られた場所にしか見られないので、博物館近くで営巣しているのを確認できて少し嬉しく思いました。
(生物担当学芸員)

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稲城市で自然観察会-(おもに)野鳥編

先週に引き続き、5月26日に稲城市iプラザからの講師派遣要請で、当館学芸員が「街なか植物・鳥ウォッチング」の講師を務めてきました。今回は(おもに)野鳥の観察です。前回に引き続き、初めに少しだけ室内でお話しをしました。

室内で2種類のカラスについて説明

身近な野鳥の代表格である、スズメ、カラス、ヒヨドリについても、じつは私たちが見ているようで見ていないことや、じっくり観察するといろいろ楽しいことなどお話ししてから野外へ出ました。

みなさんの視線の先には・・

途中、野鳥だけでなく、ちょうど花が見ごろになっていたヤマホタルブクロを観察したり、昆虫が専門の学芸員が同行したので、カメムシやゾウムシの仲間なども観察したりしました。

ヤマホタルブクロ

若葉台公園の池から流れ出る水路では、2羽のカルガモがお食事中でした。

カルガモ(写真は別の場所で撮影したもの)

この時期はヒナを連れていてもおかしくないのですが、近くにはいないようでした。
最後に公園内の芝生の上で、ハクセキレイの親子を観察しました。

ハクセキレイの若鳥(写真は別の場所で撮影したもの)

時折、翼を震わせて餌をねだる巣立ちビナへ、親鳥が給餌するシーンを観察できました。野外へ出てすぐ、双眼鏡の正しい使い方もレクチャーしたので、全員で微笑ましい親子の行動が見られてとても印象に残りました。
(生物担当学芸員)

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サツキ自生地周辺の昆虫と動物

先日のブログでは、サツキの自生地の調査の様子を紹介しました。
ここでは、その際に観察した動物や昆虫を紹介します。

まず、砂利道の足元を歩いていた昆虫から。
スジアオゴミムシといい、市内ではよく見かけるゴミムシの1種です。

スジアオゴミムシ

頭部から胸部にかけての赤紫のメタリックな質感がよく目立ちます。

つづいて、葉の上にいたのはシラケトラカミキリ。

シラケトラカミキリ

黒と白の模様が入ったカミキリムシのなかまです。

サツキ自生地では、渓流沿いを何種かのトンボが飛んでいました。そのなかでも個体数が多く、ひときわ目立っていたのがミヤマカワトンボです。

ミヤマカワトンボ

「ミヤマ」=深山と名につくとおり、河川のある程度上流に行くとみられるトンボです。
ちなみに写真の個体は翅(はね)の先端に偽縁紋(ぎえんもん)と呼ばれる白い模様をもっています。この模様はオスにはないので、メスであるとわかります。

サツキの調査が終わり林道を歩いていると、斜面の上から「ガサガサッ」と動物の動く音が聞こえてきました。
音のした方向を探すと、木立の奥に大きな動物がいるのが見えました。
ニホンカモシカです!

ニホンカモシカ

じっとこちらの様子を見ています。このまましばらくこちらを見たあと、ゆっくりと斜面の上に登っていきました。
今年4月に博物館に着任したばかりの私(執筆者)はこれまでカモシカを見たことがなかったので、とても嬉しい出会いでした。
(動物担当学芸員)

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ゲンジボタル観察会

5月24日、今年も農業用水路沿いで県立上溝南高校のみなさんと、ゲンジボタルを観察してきました。
中央区のこの場所は、過去から現在まで養殖のホタルや、餌のカワニナなどを移入していない、正真正銘、地元のホタルです。

美しく光るゲンジボタル

ゲンジボタルの発生時期は、ソメイヨシノの満開から2か月後というのが一つの目安です。今年はソメイヨシノの開花が遅れたため、5月下旬ではまだ早いかな、と思っていたのですが、無事に観察することができました。

昨年の同時期よりも少し多く飛んでいました

水路沿いで約150頭の飛行を確認できました。
観察終了後、元気な高校生たちにスマホをかざしてもらって「人間のホタル」で記念写真。

恒例の記念撮影

ゲンジボタルは、水田耕作用の水路に年間を通して水が流れていることが生息の条件です。冬の水路清掃など、地元のみなさんの地道な作業に感謝しつつ、美しい光を眺めました。
(生物担当学芸員)

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メジロの大げんか

5月21日、サツキの自生地の調査へ行った際、現場近くで調査の同行者と待ち合わせをしていたら、いつになく激しいメジロの声が聞こえました。目を向けると4羽のメジロが激しくけんかしていました。

にらみ合う2羽

そのうちの2羽は特に、空中で体当たりしてもつれるように地面へ落ちたりと、ガチンコ勝負です。

オス同士?でしょうか

お互いに上を取ろうとしています

おそらく、2組のつがいが縄張りをめぐって争っているのだと思いますが、ふだんはチィーチィーとかわいらしく動き回っている小鳥なので、こんな激しい一面があるのかとちょっと驚きました。

取っ組み合いです

そばではコゲラがギィーと鳴きながら、何食わぬ顔で採食していました。

コゲラは我関せず、日和見の様子です

このけんかは見ている間ずっと続いていて、待ち合わせ時間になり、そこを離れる時もまだやりあっているようでした。いったいいつまで続いたのでしょうか。成り行きが少し気になりました。
(生物担当学芸員)

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近世絵図がテーマの講演会を開催します【博物館資料の特別公開も!】

5月26日(日)、令和6年度相模原市文化財研究協議会公開講演会「近世絵図から読み解く相模原の歴史」を当館地階の大会議室で開催します。

公開講演会「近世絵図で読み解く相模原の歴史」

主催者の相模原市文化財研究協議会は、相原の歴史をさぐる会・相模原郷土懇話会・旧笹野家住宅を考える会の3団体で構成され、公開講演会や文化財探訪の実施等を通して、郷土の文化財の普及や愛護等の活動を行う組織です。

今回開催する講演会では、市立公文書館職員を講師に迎え、相模原が描かれた近世絵図を題材に、絵図が描かれた背景や絵図から語られる地域の歴史を読み解きます。さらに、当館所蔵の絵図資料を特別公開し、講演会後にじっくりと観覧いただく機会を設けます。

幅2m以上もの巨大な複製資料も展示します!

また、本講演会は相模原市教育委員会(文化財保護課、市立博物館)との共催事業のため、特別公開における展示では当館学芸員が協力しています。

江戸時代中期から幕末まで、相模原市域や神奈川県ゆかりの絵図資料を選りすぐり、この機会にのみご覧いただけるラインナップとなっております。参加希望の方はこちらから詳細をご確認のうえ、当日会場へお越しください!申し込み不要、先着順のご案内です(定員150名)。
皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

(歴史担当学芸員)

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