【R6学習資料展】全3回の関連イベントが終了しました!

昨日とは打って変わってよく晴れた日曜日、令和6年度学習資料展の最後の関連イベントを実施しました。

現在、当館では博物館ボランティア「市民学芸員」との協働による秋季企画展 学習資料展「相模原70年と学校給食のあゆみ」を開催していますが、展示とあわせてお楽しみいただける関連イベントも会期中に企画しました。もちろん、運営は市民学芸員総出で行います。

イベントに向け、朝から市民学芸員が準備をしました。

イベントは全部で3種類。恒例のぶんぶんゴマ、市民学芸員「紙芝居クラブ」による食育紙芝居、相模原市食育推進マスコットキャラクター「サガピー」のぬいぐるみとの記念撮影です。会期中に全3回実施し、11月3日(日)が最終回となりました。

1日2回公演の食育紙芝居では、演者である紙芝居クラブのメンバーと、観に来てくれた子どもたちの元気な掛け合いが聞こえました。荷台に木枠が載った自転車を囲む昔ながらのスタイルで、野菜の種類や大豆を加工してできた食品など、紙芝居をとおして「食」について学んでいただけたようです。

紙をめくってお話が進みます。次はどんな場面かな…?

ぶんぶんゴマのコーナーでは、お子さまのみならず保護者の方も一緒になって色を塗ったり、できあがったコマを回したりと楽しまれている様子でした。

上手く回すと名前のとおり「ブーン、ブーン」といい音がします。

そして、多くの来場者に大人気だった「サガピー」のぬいぐるみも、一緒に記念撮影ができるのはこの日がラスト。ということで、市民学芸員の皆さんも記念に1枚。

とってもかわいい!ぬいぐるみの「サガピー」が大人気でした。

フォトスポット自体は会期中常設していますので、ご来場時はぜひこちらで記念撮影していただきたいと思います。このほか、以前ブログで紹介した野菜折り紙黒電話の体験コーナーも最終日までお楽しみいただけます。

野菜折り紙体験コーナー

黒電話の体験コーナー

全3回の学習資料展関連イベントでは、なんと延べ1,000人以上にご参加いただきました。お越しいただいた皆さま、本当にありがとうございました。

9月に始まった学習資料展も、気づけば残すところあと1週間です。相模原市市制施行70周年を祝した本企画を、どうぞお見逃しなく!

(歴史担当学芸員)

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JAXA相模原キャンパス特別公開 現地開催が終了しました!

11月2日、JAXA相模原キャンパスの特別公開、現地開催が行われました。
10時30分からプラネタリウムで行われた宇宙科学研究所長の國中均さんによる講演「日本の宇宙研究について〜有利なこと、不利なこと、最も重要なこと、を考えてみる〜」は、日本の航空機開発の黎明期にさかのぼるJAXAの歴史を紐解きつつ、惑星探査の現在と将来を展望する深く壮大な内容でした。

國中所長のお話に聴き入りました

この後も「小型月着陸実証機 SLIM スペシャル トークショー」が行われ、集まったJAXAファンが熱心に聴き入りました。
エントランスでは「女子中高大生向け 進路で将来どうなるの?私の進路と今の研究」と題したトークショーが行われました。現在の日本の理工系の男女比や、そこから見えてくる問題点などが解説された後、JAXAで活躍中の女性研究者が登壇し、ご自身の研究や、これから研究者を目指す若者へのエールを送りました。

理系研究者を目指す若い女性を中心に熱心な質疑が交わされました

終了後も聴講者の質問に丁寧に答えている姿が印象的でした。
大会議室では2室に分けられたスペースで、それぞれ「小型月着陸実証機SLIM VR体験」と、タカラトミーと当館学芸員がご案内するSORA-Q(Flagship Model)体験会が行われました。

VR体験

SORA-Q(Flagship Model)体験

さらに、2階の実習実験室では、宇宙教育センターによる「かさ袋ロケット」工作のワークショップが行われました。作ったロケットを早速月へ向けて飛ばす企画、大人気でした。

コスチュームもバッチリ決めて月へ!

あいにくのお天気でしたが、1年で一番来館者の多い日、今年もたくさんの笑顔であふれる1日が終わりました。
明日の特別公開はすべてオンライン開催となります。詳しくはこちらをご覧ください。

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令和6年度 川原石のふしぎ〜自分だけのお気に入りの石図鑑をつくろう〜

10月26日(土)に開催された相模原市教育委員会の旧石器ハテナ館主催の「川原石のふしぎ〜自分だけのお気に入りの石図鑑をつくろう〜」で講師を務めました。相模川の川原の岩石でオリジナルの図鑑を作成するイベントです。

旧石器ハテナ館でイベントの概要を説明した後、近くの相模川の川原へ移動しました。

川原では初めに相模川の流れと川原の様子を観察しました。

相模川の川原で見られる代表的な岩石の説明をした後で、図鑑作成用の岩石を採集しました。

旧石器ハテナ館に戻り、岩石図鑑を作成しました。箱の中に木工用ボンドで岩石を貼り付けて作っていきます。相模川や山々をイメージした絵を描いたりして、参加された皆さんは思い思いに楽しみながらオリジナルの図鑑を作っていました。

岩石にはいろいろな種類があることや相模川の川原でも多くの種類の岩石が見られることをご理解いただけたようです。今回のイベントを通して岩石や地質学に興味を持っていただければと思います。

(地質担当学芸員)

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本日はJAXA特別公開!!

11月2日(土)、3日(日)はJAXA相模原キャンパス特別公開です!2日は現地開催、3日はオンラインのみでの開催となります。現地開催の本日は、当館にも全部で7つの公開ブースを設置、様々なイベントが行われます。
なんといっても、12月からプラネタリウムの改修工事が行われるため、光学式投影機のヘリオスとしては最後の特別公開です。穏やかに出番を待っています。

ヘリオス

10時30分から、このプラネタリウム会場で宇宙科学研究所長の國中均教授の特別講演などが行われ、午後は通常の投影もあります。
博物館エントランスや・・

ずらりと椅子が・・

大会議室・・

大人気間違いなし・・

2階実習実験室も、準備万端!

実習実験室

なにが行われるか、詳しくはこちらをご覧ください。
あいにくのお天気ですが、1年に1度の大イベント、お気をつけてご来場ください!

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クサギの果実を食べたのは

10月30日、博物館お隣の樹林地でクサギの果実がきれいに熟していました。

クサギの果実

萼片(がくへん)が星形に開いて赤くなり、そこに黒紫色に熟した果実を配置して目立たせるというすばらしい造形です。なぜそんなことをするのかというと、鳥に果実が食べごろだと知らせるためです。
果たして今朝、博物館駐車場近くで鳴いていたジョウビタキが食べているところを目撃されました。

ジョウビタキ(オス)

クサギの目的達成です。下の写真は10月31日の同じ木の様子です。

ほとんどの果実が食べられていました

ジョウビタキは関東地方では代表的な冬鳥です。着実に季節は進んでいます。カラスウリも真っ赤に熟しています。

カラスウリの果実

そうかと思うと、まだ滞在している夏鳥もいます。10月31日に見かけたキビタキです。

キビタキ(オス)

博物館周辺に多いミズキの果実などを食べて、長旅に備えているのでしょう。
夏鳥と冬鳥が同時に見られるこの時期は、森の中もちょっと賑やかです。
(生物担当学芸員)

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歴史講座「相模国甲州道中と小原宿本陣」を開催しました【お知らせあり】

このブログでも以前お知らせしたとおり、10月20日(日)に第1回目の甲州道中歴史講座を開催しました。本歴史講座は、甲州道中における各都県で唯一本陣建物が現存する日野市と相模原市との連携事業の一環として実施しているものです。

「相模国(さがみのくに)甲州道中と小原宿本陣」と題した第1回は、相模原市史や津久井町史、城山町史など多くの自治体史編さんに携わった市史資料調査員の原 和之さんを講師に迎え、おもに本市域の甲州道中と小原宿本陣についてお話しいただきました。

第1回の講師を務めた原 和之さん

まずは江戸時代の旅や街道がどういったものだったのかを浮世絵などからよみ解き、甲州道中と市域の4か宿(小原・与瀬・吉野・関野)の体制、そして小原の宿場町の様相と本陣について、マクロからミクロへ視点を移して進められました。

皆さん熱心に参加されています。

この日は、地域にお住まいの方、五街道や甲州道中について学んでいる方、古道に興味がある方など、様々なきっかけで参加された皆さまにお越しいただきました。
終会後も質問のために講師のもとを訪れた参加者の列ができ、とても勉強熱心な様子がうかがえました。ご都合がつく方は、次回以降もご参加いただけますと幸いです。

第2回に予定しているテーマは「武蔵国(むさしのくに)甲州道中と日野宿本陣」で、日野市ふるさと文化財課課長で学芸員の金野 啓史さんに講師を務めていただきます。どうぞお楽しみに!

日野宿本陣の式台から庭園を望む(当館学芸員撮影)

また、本連携事業の一つにも位置づけられている日野市立新選組のふるさと歴史館特別展「甲州道中日野宿と本陣」が10月26日(土)から始まりました。日野宿と日野宿本陣の歴史や、昨年実施された本陣の建造物調査の成果も紹介されますので、ぜひ足をお運びいただきたいと思います。
日野市立新選組のふるさと歴史館特別展の詳細はこちらをご確認ください。

(歴史担当学芸員)

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【R6学習資料展見どころ紹介④】学校給食のあゆみ

当館特別展示室にて開催中の学習資料展「相模原70年と学校給食のあゆみ」は会期の折り返しを過ぎ、残すところあと2週間ほどとなりました。
このブログで連載してきた見どころ紹介も今回が最後です。まだ展示をご覧いただいていない方も、もう一度ご覧になりたい方も、ぜひご来場ください!

見どころ紹介のバックナンバーは次のリンクからご確認いただけます。→

学習資料展「相模原70年と学校給食のあゆみ」

見どころ紹介のトリを飾るのは、展示のメインテーマの一つである「学校給食」です。この学習資料展は、相模原市市制施行70周年記念事業として当館の博物館ボランティア「市民学芸員」との協働により開催しているものですが、再来年に市内で学校給食が始まってから70年を迎えることの前祝いでもあります。
児童の健やかな成長を支えるための取り組みを多くの方に知っていただき、学校給食をより身近に感じていただけるよう、本企画展でも大きく取り上げています。

調理器具・食缶・食器類のコーナー

展示ケースの中に並ぶ調理器具や食缶は、現場で使用されているものと同型品で、本市学校給食課から借用したものです。“しゃもじ”一つ取っても、家庭用とのスケールの違いに圧倒されることと思います。実際に「ご飯を取り分けるのに、スコップを使うの!?」と驚きの声も聞こえました。

しゃもじや柄杓が大きい!

本展示の中でも象徴的なものが、市内小学校にて2011(平成23)年から本年7月まで現役で稼働していた「回転釜」です。これは、茹でる・炒める・蒸す・炊く・揚げるといった様々な調理方法に対応した業務用のガス煮炊き釜で、スープ類であれば約300~400人分相当の調理が可能です。引退後、学習資料展で有終の美を飾る回転釜の迫力を、ぜひ感じていただきたいと思います。

回転釜、今までお疲れ様でした。

このほか、各年代の給食サンプルや食器類の展示スペースでは、「私が給食を食べていた頃の食器があった!」、「鯨の竜田揚げや揚げパンが懐かしい!」といった観覧者の会話をよく耳にし、担当学芸員としても嬉しく思うことが多々あります。
まさに、学習資料展の主な目的である「幅広い世代の語らいの場」を体現したコーナーです。

セレクト給食(左手前2点)とバイキング給食(右)のサンプル

思い出の食器はありましたか?

来週11月3日(日)には、今年度最後の学習資料展関連イベントを実施します。市民学芸員によるぶんぶんゴマや食育紙芝居、相模原市食育推進マスコットキャラクター「サガピー」のぬいぐるみと一緒に記念撮影ができるフォトスポットをお楽しみいただけます。

市民学芸員が折り方の手順書を作成した「野菜折り紙」体験コーナーもあります。

このところは過ごしやすい気候が続いていますので、秋のお出かけでお立ち寄りになってはいかがでしょうか?関連イベントの詳細はこちらをご確認ください。

(歴史担当学芸員)

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厚木市、豊田市に当館の土器などが展示中!

当館の考古資料があつぎ郷土博物館、豊田市博物館(愛知県)にて展示されています。

まずは、あつぎ郷土博物館です。

土偶がいっぱい!

こちらは、大日野原遺跡出土の土偶付土器や、橋本遺跡から出土した土偶などが展示中です。

おびのっちのモデルになった土器です。(市指定文化財)

両手を挙げているように見えます。(市指定文化財)

 

続いて、豊田市博物館です。こちらは今年の4月26日に開館しており、その開館記念展として縄文時代の展示を開催しています。

ジョウモンさんが旅をしています。

こちらでは、田名塩田でみつかったクルミ形土器や、下原遺跡出土の勝坂式土器などが展示されています。

ハートにそっくり!(市指定文化財)

勝坂式土器の特徴である立体装飾が目をひきます。

当館の常設展示である自然・歴史展示室に展示していた優品ばかりで、
相模原の縄文時代をよく伝えるものです。
(クルミ形土器は通常は田名向原遺跡旧石器時代学習館で展示してます。)

芸術の秋が深まりつつありますので、ぜひそれぞれの館にて縄文美術の秋を楽しんでいただければと思います。

あつぎ郷土博物館:https://www.city.atsugi.kanagawa.jp/atsugicitymuseum/index.html

豊田市博物館:https://hakubutsukan.city.toyota.aichi.jp/

(考古担当学芸員)

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尾崎行雄のミニ展示を開催中です(12月27日まで)。

皆さんは本市緑区生まれの偉人をご存じですか?

尾崎行雄という著名な政治家が本市緑区又野にて生まれています。
尾崎は国会議員を長く務めた、東京市長、司法大臣などを歴任しており、「議会政治の父」と呼ばれました。
さらに特に大きな業績として「2つのフセン」が挙げられます。すなわち「普通選挙」と「不戦運動」です。

大正2年 司法大臣時代の尾崎

今年は尾崎没後70年、第2次憲政擁護運動100年の節目の年であることから、
この2点をテーマに、「尾崎行雄を全国に発信する会」と協力し、ミニ展示を作成しました。

エントランスにて展示中です

尾崎が目指した普通選挙は、幾度の困難な状況を乗り越えて実現しますが、
男女共に選挙権が与えられるのは戦後になってからです。

今回は当館所蔵の尾崎直筆の日記を展示しており、盟友犬養毅が亡くなった1932(昭和7)年5月15日の内容を紹介しています。貴重な尾崎の肉筆かつ筆記体ですので、この機会にぜひご覧ください。展示は12月27日まで行っています。

尾崎の日記(英文)

(展示担当学芸員)

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ツバメではないツバメ

市内の相模川を歩いている時、ふと上空を見上げると、ヒメアマツバメが群で飛んでいました。

ヒメアマツバメ

この鳥は飛ぶことに特化した体のつくりをしていて、日中のほとんどの時間を上空で過ごします。その名のとおり、体つきもツバメとよく似ていますが・・分類上はツバメの仲間と遠く離れているのです。こちらは、近縁のアマツバメです。

アマツバメ ヒメアマツバメと比べると一回り大きく、翼がよりシャープな形

どちらも春や秋には市内の上空を飛んでいるのが見られます。ヒメアマツバメは、市内の一部の地域で繁殖もしています。ツバメと比べて、翼がより高速で飛べるように細長く、鎌の刃のような形をしています。
ちなみに、本家?のツバメはこちらです。燕尾の切れ込みが深く、翼はアマツバメより幅広くて先が尖り、高速で飛ぶよりも、細かいターンをしやすくなっています。

ツバメ 喉が赤いのも特徴

ところが、ツバメの仲間にも、ヒメアマツバメにそっくりな種類がいます。イワツバメです。白黒の色合いと、燕尾の切れ込みが浅いところがよく似ています。

イワツバメ

イワツバメはお腹が白いのが特徴で、双眼鏡で見ればすぐに見分けられますが、肉眼で、上空を飛んでいるシルエットを見ただけではどちらかほとんどわかりません。
どちらも空中で飛んでいる昆虫などを食べ、多くの時間を空中で過ごします。こうして、生息環境の利用方法や食生活などが同じであるために、異なる進化の過程を経てきた生きもの同士の外形が似ることを「収れん進化」と言います。ツバメ類とアマツバメ類はその典型的な例の一つと言えます。ちなみに、中華料理の高級食材として使われる「燕の巣」とは、アナツバメという種類のゼリー状の巣材で、アナツバメはアマツバメの仲間です。
(生物担当学芸員)

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