鳥類学の実習を行いました!

6月25日午後、博物館の大会議室で青山学院大学の講義と実習が行われました。テーマは「野鳥の生態」です。まず、生物担当の学芸員から、博物館資料としての標本の意義と活用について講義を受けました。続いて、博物館が収蔵している鳥類のはく製を使って実習です。形態などを見ながら、学生たち自身で標本を分類してもらいました。

ずらりと並んだ鳥類のはく製

学生たちは、嘴(くちばし)や足の形などから「水鳥系」「猛禽系」などと分類していきます。小鳥はひっくるめて「ちゅんちゅん系」、あるいは「ぽっぽ系」などと、独特の言葉でディスカッションしながら分類していく様子がとても微笑ましく感じられました。
続いて、分類の答え合わせをしながら、それぞれの種群の特徴を確認します。また、全身骨格標本から、鳥の骨の特徴を学びました。

骨格には鳥の生活にまつわるたくさんの情報が詰まっています

終了後、標本を片付けながら標本庫を見学してもらうと、「サイコーに刺激的だった!」などと感想を言ってくれた学生もいました。標本という実物資料がいかに知的好奇心を掻き立てるものかということを、こちらも改めて確認することができました。

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地質学講座、終了しました。

6月25日(土)に今年度の地質学講座「身近な石の中の鉱物〜造岩鉱物の基礎」は無事、終了しました。

今回の講座では、地球上で最もありふれた鉱物についてお話ししました。ありふれた鉱物にもかかわらず、これまで、あまり紹介されることが少なかったので、身近な鉱物について知る良い機会になったと思います。

参加者の反応を見ながら話すことができるので、オンラインよりも、やはり対面の方が良いですね。質問も活発に出され、充実した講座となりました。

久しぶりの講座なので、準備や進行などで手まどる場面も多々ありましたが、なんとか終えることができました。参加者の皆様、お手伝いいただいたボランティアの方々、ありがとうございました。
来年度以降も企画していきたいと思います。

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カイコは繭を作り始めています!

6月1日の給桑開始から26日目、カイコは熟蚕(じゅくさん=繭を作り始める状態になったカイコ)になり、飼育容器の隅で頭を振って繭を作ろうとしているものから蔟(まぶし=繭をつくる場所)へと移しました。しばらく落ち着かずに蔟の上を歩き回っていますが、そのうち、蔟の1区画に収まって繭を作り出します。写真は、6月28日の早朝から作り始めたものです。

繭を作り始めて半日ほどのカイコ

28日の朝、繭を作っている様子を見ていただこうと、一部を蔟ごと飼育展示コーナーに出しました。

蔟を展示中

光に反射して輝く繭糸(けんし)が膜のように内部を覆っていき、時間が経つにつれて繭の形が見えてきます。その神秘的な様子に息をのむお客様も少なくありません。
飼育容器に残るのは数十頭だけとなり、このカイコも今日から明日には繭を作り始めます。

クワを食べているカイコも残り少なくなりました

繭は作り始めて丸2日で完成します。うっすら中が見える状態の繭は、作り始めの1日だけなので、今週前半までしかこうした繭の状態を見ることができません。梅雨明けの猛暑をしのげる博物館へ、ぜひご来館ください。

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博物館収蔵資料紹介~酒まんじゅう作りの道具

先頃まで掲載していた、職員ブログ「写真に見る昭和・平成の相模原」No.18にも紹介しましたが、相模原及び周辺地域の夏場のごちそうに「酒まんじゅう」があります。この地域を代表する食物であるまんじゅうを作るにも、いくつかの道具が使われました。

最初の写真は「まんじゅう笊(ざる)」(収集地・中央区上溝)で、でき上がった酒まんじゅうを入れて保管するものです。前回の籠(かご)や笊でも記したように、入れるものが決まった籠や笊があり、まんじゅう笊などはその代表的なものと言えます。                  

 

酒まんじゅうは、炊いた米と水、麹(こうじ)を混ぜた「まんじゅうざけ」と言われる甘酒のでようなもので小麦粉をこねるため、独特の風味が生まれます。写真は、まんじゅうざけを作る「まんじゅう桶(おけ)」「さけ桶」(南区下溝)と呼ばれる小さな桶で、さけを掻くのはおばあさんの仕事であることが多く、この桶を大切にしていました。

桶は木製で、籠や笊と違って液体を入れても漏れることがなく、さまざまな用途に使われましたが、まんじゅう桶などもさけを掻くための専用の容器でした。                 

 

次の写真は「こねばち」(緑区大島)で、酒まんじゅうだけでなく、うどん等の麺類や団子の粉をこねる時に使いました。粉とまんじゅうざけを入れてこね合わせ、丸い形にしていきます。このこねばちは、明治35年(1902)生まれの方からの寄贈で、いつから家にあったか記憶にないほど古くから使っていたとのことです。                   

 

餡(あん)を入れて丸めた酒まんじゅうは少し置いて発酵させ、それから蒸していきます。まんじゅうをはじめ、赤飯や餅つきで糯米(もちごめ)を蒸したりするには蒸籠(せいろ・せいろう)を使い、写真のように曲げ物の丸型(中央区星が丘)と、木製の角形(南区当麻)があります。

いずれも重ねて一度に多くのものを蒸かすことができ、中には竹の簾(すだれ)も見えています。丸型は「はやぶかし」とも呼ばれ、こちらを使う方が多かったようです。                  

 

酒まんじゅうは、今でも和菓子屋などで販売されているのを見かけることも多く、地域の文化を知る機会を提供しています。

※「写真に見る昭和・平成の相模原」No.18には、今回取り上げた道具を使用している写真を掲載しています。

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生きものミニサロン 葉っぱ工作に挑戦!を実施しました

6月26日、真夏を思わせる青空が広がる中、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。今回のテーマは、「葉っぱ工作に挑戦!」として、身近な葉っぱを使って簡単な工作をしました。

左から、サンダル(アオキ)、笹舟(アズマネザサ)、カタツムリ(シャガ)

さすがに炎天下で活動するのは危険なので、博物館前庭の日陰で開始。

風があったので暑さはやわらぎました

材料の葉っぱはすべて、博物館の植栽管理の中で増えすぎてしまうと困るものを選びました。まずは、ササ(アズマネザサ)です。このササは、地下茎でどんどん増えて他の植物を追いやってしまうため、地上部を刈っていかないといけません。

ヒサカキの植込みから突き出たアズマネザサ

作るのは、もちろん笹舟です。細長い葉で作るのは意外と大変ですが、みなさんがんばって作りました。作った笹舟は、水を張ったバットに浮かべてみました。

ちゃんと浮かぶのが笹舟のすごいところです

続いて、アオキです。アオキも、低木ですがどんどん大きくなって地面を覆ってしまうので、刈りこんでいかないといけません。

アオキ

アオキで作ったのは、葉っぱのサンダル。上手にできています!

子どもが履けそうなサンダルです

最後に、シャガの葉でカタツムリを作りました(一番上の写真右)。

シャガの葉

シャガは4~5月に咲く花が美しいのですが、外来種で、放っておくとやはり増えすぎてしまうため、参加者のみなさんに協力していただき、葉をだいぶ切りました。一番難しい工作でしたが、風情のあるカタツムリを作ることができました。
風が強くて工作は少し大変でしたが、そのぶん暑さがやわらぎ、楽しいミニサロンとなりました。
来月は、通常の第四土曜日ではなく、第三土曜日の7月16日に実施します。

 

 

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梅雨の晴れ間に咲く花

博物館駐車場のフェンス近くに、いつの間にかアカメガシワの木が伸びています。植えたものではないので、鳥が運んだのでしょう。成長が早い木で、昨年まで人の背の高さほどだったのが、今年は2.5メートルほどに伸び、さらに花を咲かせました。

アカメガシワの花

花弁はありませんが、おしべが花火のように放射状に広がり、かわいらしい花です。

アカメガシワの雄花

アカメガシワは雌雄異株なので、この木は雄株です。あっという間に大木になってしまうため、そろそろ伐らなくてはいけないかなと思います。
お隣の樹林地では、地面にこんな花が落ち始めました。

糸状の花がたくさん落ちています

繊細な美しさをもつ、ネムノキの花です。

拾い上げてみました

樹林の中では目立たない木で、こうして花を落として初めて存在に気づきます。

下から見上げると、ネムノキの細かな葉が風に揺れています

梅雨の晴れ間の樹林内は、生命力にあふれていてちょっと気圧されてしまいそうです。

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給桑開始から22日目 カイコは5齢に

【23日から再開します!】
6月21日(火)と22日(水)に館内設備のメンテナンスのため休館しましたが、23日(木)から通常開館します。

6月1日に給桑を開始してから、20日目の6月20日までにほぼすべてのカイコが脱皮して5齢になりました。5齢3日目の6月22日、すでに大きさは6センチメートルを超えました。

伸びた状態で6センチメートルを超えます

これからあと5日間ほど、クワを食べ続けます。5齢の間に食べるクワの量は、カイコが一生で食べる量の85%以上と言われています。そしてそのほとんどが、絹タンパクの生成に使われるので、5齢でいかにたくさん食べさせられるかで、繭の大きさ(繊維の長さ)が決まります。
ムシャムシャとクワを食べる様子は、ずっと見ていても飽きません。

迫力のお食事シーン

カイコもラストスパートとなりますが、クワの葉採りもラストスパートです。大きな繭を作ってもらうよう、人間もがんばらなくてはいけませんね!

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NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」関連ミニ展示「鎌倉時代初めの相模原の武士団 横山党」を尾崎咢堂記念館で開催中です。

【 博物館臨時休館のお知らせ】
6月21日(火)~22日(水)は、館内設備のメンテナンスのため、休館いたします。23日(木)から再開します。

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の関連ミニ展示「鎌倉時代初めの相模原の武士団 横山党」が、令和4年6月18日(土)から尾崎咢堂記念館で始まりました。

多目的室にて展示中です。

この巡回ミニ展示では、津久井地域にも進出した相模原の鎌倉時代初期の武士団「横山党」や、13人の御家人の1人である和田義盛(わだよしもり)の市内にある伝承などを紹介しています。

横山党の大貫氏は緑区中野を本拠地にしたと伝えられています。

現在絶賛放送中の大河ドラマ関連ということで、6月12日(日)まで同じ内容のミニ展示を開催していた吉野宿ふじやでも大変ご好評をいただきました。
吉野宿ふじやの展示の様子は本ブログでもご紹介しています。)

今回は、和田義盛(わだよしもり)にまつわる市内中央区の伝承地「わだ坂」と「藤橋」が取り上げられている神奈川県作成の「鎌倉殿×13人の御家人たち 神奈川『ゆかりの地』めぐり」ペーパー版周遊マップも設置してあります。
また、各写真パネルは周辺地図とあわせて展示されていますので、気になる伝承地がありましたら実際に足を運んでみてはいかがでしょうか?

お気に入りのゆかりの地を見つけてみてください。

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」関連ミニ展示「鎌倉時代初めの相模原の武士団 横山党」は、8月28日(日)まで開催しています。
これまで相模原市立博物館や吉野宿ふじやで開催した展示をお見逃しの方や、お近くにお住まいの方をはじめ、多くの方にご覧いただければと思います。

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ヒメヤブラン

【臨時休館のお知らせ】
6月21日(火)~22日(水)は、館内設備のメンテナンスのため、休館いたします。23日(木)から再開します。

博物館お隣の樹林地でここ数年少しずつ増えているように見える植物の一つが、ヒメヤブランです。

ヒメヤブラン

ちょっと薄暗い林内と、遊歩道などやや開けた場所のちょうど境界部分でぽつりぽつりと花を咲かせています。純白の小さな花は、下を向いて楚々としています。

ヒメヤブランの花 やや下向きに咲きます

博物館前庭に多く生えているヤブランも、真夏に咲く花の形はよく似ていますが、薄紫色で盛大に花をつけるため、雰囲気がだいぶ異なります。

ヤブランの花

ヒメヤブランは地下茎を伸ばして増えていくので、年々少しずつ株数が増えているように見えます。しかし、明るい方、つまり、人に踏まれやすいところへ出てしまうため、そろそろ株数は頭打ちになるような気もします。

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給桑開始から18日 カイコは最後の眠に

6月18日、カイコの多くが4回目の眠(みん)に入りました。脱皮に備えて静止した状態になっています。前部を反りかえるように持ち上げていて、人間の睡眠とは姿勢がだいぶ異なります。

前部を反り上げるのが眠の姿勢です

まだ食べているカイコもいますが、今日中にはほとんどのカイコが眠に入ります。

子どもが折り重なって寝るように見えてかわいいですね

明日19日には脱皮し始め、週明けの月曜日にはほとんどのカイコが5齢(終齢)になります。それから1週間、モリモリとクワを食べ続け、繭を作り始めます。5齢の間に、生涯に食べるクワの量の85%以上を食べると言われています。来週はラストスパートです。

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