「ホネホネサミット2024@しずおか」に参加しました

当館の専門ボランティアグループの一つである「さがみホネホネ団」(略称さがホネ団、旧名称 相模原動物標本クラブ)が10月19日から20日にかけて静岡県清水市で開催された「ホネホネサミット2024@しずおか」(略称ホネサミ)に参加しました。

清水マリンビルを会場に行われたホネサミ2024

ホネサミは、全国各地で活動する動物標本の作製サークルや研究室、博物館などが集結して情報交換を行うイベントで、これまで大阪や高知、北海道で行われてきました。今年は静岡県での初開催されるということで、さがホネ団と光明学園相模原高等学校理科研究部と合同でブース出展しました。

たくさんのホネ好きがブースを訪れてくれました

会場は“ホネ好き”の熱気であふれ、老若男女がホネの学術資料としての有用性や魅力、技術的な意見交換などを行いました。
さがホネ団のブースも立ち寄る人が途切れず、全身の交連骨格標本(体のつくりに合わせてつなぎ合わせた骨格標本)や頭骨標本などを観察したり、撮影したりされていました。

理科研究部のみなさんもがんばってくれました

古生物の化石から現生の生きものまで、ホネに内在する情報が教えてくれることがたくさんあります。これからも全国のホネ仲間と積極的に情報交換していきたいと思います。
(生物担当学芸員)

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大野南仲間カレッジ「相模原台地の生い立ち」

10月13日に大野南公民館「大野南仲間カレッジ」の第1回目の講師を務めました。「大野南仲間カレッジ」は10回連続の講座です。

「相模原台地の生い立ち」というテーマでお話ししました。相模原市と町田市の境界付近を流れる境川の概要から始まり、相模原台地の地形・地質の特徴と成り立ち、最後に相模原台地の地層中に含まれる火山灰について解説しました。相模原台地をつくっている関東ローム層はほとんどが富士山や箱根山からの火山灰からできていますが、遠く九州の火山からの火山灰も含まれています。

身近な地形や地質はその土地の成り立ちだけではなく、遠くの火山についても知ることができます。そのような目で見てみると普段見慣れている風景も違ったものに見えてくるかも知れませんね。

(地質担当学芸員)

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【R6学習資料展見どころ紹介③】相模原70年のあゆみ

現在、当館では博物館ボランティア「市民学芸員」との協働による企画展 令和6年度学習資料展「相模原70年と学校給食のあゆみ」を開催しています。
おもに小・中学生の学びに役立てていただき、幅広い世代の語らいの場となることを目的とした本企画展の見どころを、第1回第2回に続いて紹介します。

この見どころ紹介ブログでも度々お知らせしているとおり、本年、相模原市は市制施行70周年を迎えます。前回のブログは、市制を施行した1954(昭和29)年の出来事に限定しましたが、今回は市制施行後の70年間に関する展示の見どころについて紹介します。

市制施行後の70年間を振り返ります。

会場の特別展示室に入ると、壁際に一面ガラス張りの大きな展示ケースが見えます。このウォールケース内では、市制施行から70年の間に起こった市内外のおもな出来事を、年表と写真、そして実物資料によって紹介しています。

市内で開催されたイベント、駅や公園の開業、世界的なニュース…、このブログをご覧の皆さまにとって、身近な場所や思い出深い出来事も取り上げられているのではないでしょうか?

様々な資料から歴史を紐解きます!

また、当館が地域の総合博物館であるという特色を活かし、各分野担当学芸員の協力による、分野を横断した関連展示をこのコーナーで実現しました。
1974(昭和49)年に勝坂遺跡(南区磯部)が国の史跡に指定されたことにちなんだ勝坂式土器(考古分野)、同年“市の鳥”に決定した「ヒバリ」の標本(生物分野)、阪神・淡路大震災(1995(平成7)年)の生々しい痕跡を収めた写真(地質分野)など、様々な形態の資料をご覧いただけます。

天文分野からは、小惑星探査機「はやぶさ2」1/10模型と小惑星リュウグウから採取されたサンプルレプリカをケースごとお借りしました!

さらに、年表的な展示のほか、身近な生活家電や子どもたちの服装など、70年間でどのような変化があったのかをご覧いただけるコーナーもございます。

固定電話の変遷

携帯電話の変遷

電話ゾーンでは年齢問わず大人気、実物(!)の黒電話に触れる体験が可能です。黒電話が初めての方もご安心ください。市民学芸員・作の動画「黒電話の使い方」をご覧のうえ、ぜひ実際にダイヤルを回していただきたいと思います。

触って学べてとっても楽しい!黒電話の体験コーナー

次回の見どころ紹介もどうぞお楽しみに!

(歴史担当学芸員)

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生きものミニサロン「ドングリとひっつき虫を観察しよう!」を実施しました

10月19日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。今月のテーマは「ドングリとひっつき虫を観察しよう!」です。まず、博物館の前庭に出て、落ちているドングリを参加者のみなさんに拾ってもらいました。

コナラのドングリを拾ってくれました

そしてそれを、ドングリを識別できるリーフレットを使ってドングリの種類を調べます。

ドングリの名前は?

クヌギやコナラのドングリを拾って確認できたので、その他のドングリとして、用意しておいたカシやマテバシイのドングリも見てもらいました。
次はひっつき虫です。ひっつき虫とは、さまざまな工夫を凝らして動物の毛などにひっつき、種子を運んでもらう植物の総称です。今回は、参加者のみなさんに軍手をお配りし、それでガサガサやってひっつき虫を採集してもらいました。

ひっつき虫採集器として軍手が活躍!

丹念に種類ごとに別々の指にひっつけてくれた参加者も!

これも、ひっつき虫のリーフレットを使って種類を調べます。

ルーペを使って詳しく観察

すると、こんなひっつき虫を観察することができました。

ミズヒキ

キンミズヒキ

ヌスビトハギ

イノコヅチ

今回観察した中では唯一、ベタベタ系(ほかはトゲトゲ系)のケチヂミザサ

最後に、究極のひっつき虫と言える、イビセラ・ルテア(キバナツノゴマ)の種子を見てもらいました。

“悪魔の爪”という別名がピッタリ

別名、悪魔の爪。この名前が一番しっくりきますね。
そして番外編です。終了後、ご希望の方は・・とご案内したのが、先日このブログでお伝えした、アケビコノハの幼虫です。また一回り大きく育っていて、目玉模様もさらに目立っていました。

背中側正面から見たアケビコノハの幼虫

正面から見たアケビコノハの幼虫 この目玉模様がはたして天敵に通用するのか・・

結局全員残って観察してくれました。

思わず歓声が上がるほどの人気でした

今回も熱心なみなさんと楽しく自然観察できました。
次回は11月16日(土)12時から実施します!
(生物担当学芸員)

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甲州道中歴史講座を開催します!

甲州道中(甲州街道)は江戸幕府のもと整備された五街道のひとつで、江戸と信州諏訪を結ぶ主要な街道です。街道筋に設けられた宿場のうち、相模原市域には小原・与瀬・吉野・関野の4か宿がありました。
なかでも、本陣(=大名などの身分が高い者が宿泊する施設)建物が県内で唯一現存する小原宿は当時の名残が色濃く、その貴重な姿を今に伝えています。このほか、当館所管施設である「吉野宿ふじや」など、甲州道中には数々の見どころがあるのです。

そして、このたび「甲州道中」をメインテーマとした全4回の歴史講座を当館で開催する運びとなりました。題して、「相模原市×日野市 甲州道中本陣連携事業 甲州道中歴史講座」です。

相模原市×日野市 甲州道中本陣連携事業

「相模原市×日野市」と冠しているとおり、本歴史講座は本市(当館、文化財保護課)と日野市ふるさと文化財課との連携事業です。
甲州道中の日野市域には「日野宿本陣」があり、ともに各都県で唯一現存する本陣建物を有するという共通点から、縁あってこの自治体間連携が実現しました。

小原宿本陣

日野宿本陣

各回講師を招き、甲州道中及び小原宿・日野宿の歴史や、本陣建物の建築史上の特徴、幕府による街道整備など、様々な角度から講演会形式で連続講座を行います。概要は以下のとおりです。

第1回「相模国甲州道中と小原宿本陣」  令和6年10月20日(日)
講師:原 和之さん(相模原市立博物館 市史資料調査員)

第2回「武蔵国甲州道中と日野宿本陣」  令和6年11月17日(日)
講師:金野 啓史さん(日野市ふるさと文化財課課長(学芸員))

第3回「建築史からみた本陣建物」    令和6年12月22日(日)
講師:海老澤 模奈人さん(東京工芸大学教授/相模原市文化財保護審議委員)

第4回「江戸幕府の五街道政策と甲州道中」令和7年1月19日(日)
講師:菅原 一さん(国文学研究資料館 プロジェクト研究員)

会場:相模原市立博物館 地階 大会議室

時間:午後1時30分~3時30分(受付は午後1時~)

定員は各回先着200名、いずれも参加無料です。ぜひご参加ください!

また、以前このブログで紹介した歴史分野実習生展示「甲州道中と明治天皇巡幸」は、本事業の一環として位置づけています。

実習期間中に実施した展示解説の様子

今週末に控えた第1回目の歴史講座当日は、本展示も当館エントランスにて開催中ですので、あわせて講座の前後にご観覧いただけますと幸いです。

(歴史担当学芸員)

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下見は楽し(クモの映像あり)

自然観察会は多くの人と自然観察の楽しさを共有できて、とても楽しいものです。ただ、運営する側だったり、講師として案内役だったりすると、解説から行程・安全管理、質問対応などさまざまな役割があり、写真を撮る余裕もほとんどありません。しかし、それでも自然観察会が楽しみなのは、その前に必ず実施する「下見」が本番にも勝るとも劣らぬ楽しさがあるからです。
10月14日に、隣接する市の公園の自然観察会に出向いたのですが、その前週にスタッフと下見を行いました。アザミの花を訪れていたたくさんのホウジャク(蛾の仲間)の中から、ホシヒメホウジャクを探して撮影したり・・

ホシヒメホウジャク

葉柄だけになっていたネムノキがあったので、犯人を捜してみると・・葉柄にぴったりとくっついて擬態するイモムシがいました。

見事な擬態です!

シャクガの仲間の幼虫のようです。これだけ徹底的に食べつくしてしまってこの先どうするのか、思案に暮れているようにも見えました。
さらに、ニシキギの茂みの上にいたのは、キバラヘリカメムシです。

キバラヘリカメムシ スタッフみんなで競い合ってニオイをかぎました

カメムシというと、臭いというイメージが強いのですが、この種に限っては嫌いな人が少ない匂いです。例えるならば、青りんごの香りです。
そして本番を迎えた本日、快晴の中、本番直前の下見をしました。まだ角度の浅い朝日を浴びて、ジョロウグモがせっせと網づくりをしていました。

太陽が高く昇るとこんなキラキラした様子は見られないので、これも下見の役得ですね。真っ赤に色づいたガマズミの果実の中には、虫こぶがたくさんついていました。ガマズミミケフシです。

ガマズミミケフシ(虫こぶ)

この後迎えた本番も、熱心な参加者のみなさんと思い切り自然観察を楽しむことができましたが・・写真を撮る余裕はやはり、ありませんでした。
(生物担当学芸員)

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【R6学習資料展見どころ紹介②】昭和29年ってどんな年?

現在、学習資料展「相模原70年と学校給食のあゆみ」を当館特別展示室にて開催しています。
学習資料展とは、当館の博物館ボランティア「市民学芸員」との協働により、おもに小・中学生の皆さんの学びに役立てていただくことを目的とした秋季恒例の企画展です。本年は相模原市市制施行70周年記念事業として、特別な内容で開催しています。

前回に引き続き、展示の見どころを紹介したいと思います。

学習資料展「相模原70年と学校給食のあゆみ」

相模原市は、今から70年前の1954(昭和29)年11月20日に県下10番目の市として誕生しました。市制施行当時の人口は約8万人で、現在のおよそ9分の1でした。

ところで、相模原市が市制施行した年にどのような出来事があったか、皆さまはご存知でしょうか?
70年前のこととなると、学習資料展のメインターゲットである小・中学生をはじめ、まだ生まれていなかったか、幼かったためよく知らないという来館者の方が多数かと思います。

今回の展示では、「昭和29年ってどんな年?」という皆さまの疑問にお答えするため、70年間のあゆみを紹介するコーナーの冒頭で、1954(昭和29)年のおもな出来事とそれに関連する資料を展示しています。

今から70年前にどんなことがあったでしょうか…?

お金の単位「銭」(1銭=1円の100分の1)が通用停止し、「円」のみが流通するようになったのが1954(昭和29)年のこと。このコーナーの展示は、前年を最後に使用されなくなった「10銭紙幣」と「50銭黄銅貨」に始まります。

本年6月に開催した新規収蔵資料展が記憶に新しい、郷土の偉人・尾崎行雄(雅号:咢堂)が没したのも1954(昭和29)年の出来事です。尾崎の逝去を報じた当時の新聞(『読売新聞』1954年10月7日号)は必見です。

近藤日出造による似顔絵(左)と、尾崎の訃報を伝える当時の新聞(右)

遠洋マグロ漁船の第五福竜丸が米国の水爆実験によって多量の放射性降下物(死の灰)を浴びた被爆事件や、市内(当時は相模湖町域)の相模湖で発生し、22名の中学生が犠牲となった「内郷丸遭難事件」といった、同年の痛ましい事件も歴史上の忘れてはならない出来事として取り上げています。

このほか、お馴染みのキャラクターが登場する映画の公開や、当時大人気だった力士の活躍など、幅広く1954(昭和29)年を紹介していますので、ぜひご覧ください。

また、市制施行に関連した資料として、町議会8月臨時会で可決された市制施行を報じる『広報相模原特集号』(1954年9月15日号)や、祝賀記念パレードのために製作された市旗の実物を展示しています。

市制施行祝賀式典(『相模原市史現代図録編』より転載)

当時を物語る数々の資料をご覧いただけますので、ご来場の際はぜひこのコーナーにお立ち寄りいただきたいと思います。

(歴史担当学芸員)

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アケビコノハの幼虫

博物館お隣の樹林地には、アケビのつるがたくさんあります。この季節、よくよくそのつるをたどって葉裏を探すと、こんなものがついています。

アケビコノハの幼虫 右側が頭で、体をUの字に曲げて頭を上に向けています

アケビコノハという蛾の仲間の幼虫です。どこがどうなっているのか、ちょっとわかりにくいですね。じつはこれは擬態のポーズです。葉を食べている時はこんな姿勢になります。それでも、眼玉模様はしっかり目立たせていますね。

頭を前に向けた状態のアケビコノハ

なぜこんな姿勢をするのか、わかりにくいのですが、周辺の葉を見ていると、同じような色と形に枯れた葉がたくさんついていました。

右上の枯れ葉のように擬態していることがわかります!

成虫は、前翅(まえばね)は木の葉そっくりで、後翅(うしろばね)は鮮やかなオレンジ色の美しい蛾です。

枯れ葉にしか見えないアケビコノハの成虫 後翅は隠れています (写真 藤井幹氏)

決して珍しい昆虫ではありませんが、幼虫も成虫も見どころ満載で、出会うととても嬉しい一種です。
(生物担当学芸員)

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【学習資料展】関連イベント本日開催!

現在当館では、令和6年度学習資料展「相模原70年と学校給食のあゆみ」を開催しています。

本日は関連イベントとして、博物館ボランティア「市民学芸員」との協働による3つの企画、「ぶんぶんゴマで遊ぼう!」「紙芝居クラブによる食育紙芝居」「サガピーのフォトスポット」を実施します!
それぞれの企画の詳細については、展示初日のブログ記事をご覧ください。

イベントブースを設営中!

皆様のご参加をお待ちしております!
(動物担当学芸員)

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吉野宿ふじやで水彩画展を開催中です!

10月5日(土)より、吉野宿ふじやでは「加藤清明水彩画」展を開催しています(主催:NPO法人ふじの里山クラブ)。

加藤清明さんは緑区牧野で生まれになり、絵画グループ「桑里会」に所属され、長い間公民館などで絵画の指導をしております。今回は水彩画を中心に、スケッチやデッサンを展示しています。

4日に設営の様子をみてきました。

 

会場である吉野宿ふじやは土曜、日曜、祝日が開館日です。
今回の水彩画展は下記日程でご覧になれます。

10月5日(土)、6日(日)、12日(土)、13日(日)、14日(月祝)、19日(土)
20日(日)、26日(土)、27日(日)
11月2日(土)、3日(日)、4日(月祝)、9日(土)、10日(日)
※開館時間:午前10時から午後4時まで

貴重な水彩画やデッサンが多く展示されています。

この機会にぜひご覧ください!

吉野宿ふじや: https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kurashi/shisetsu/bunka_shakai/library_etc/1002767.html(相模原市公共施設のページ)

(吉野宿ふじや担当学芸員)

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