近・現代史講演会「バイオテクノロジーの父 高峰譲吉 その多様な人間像」を開催しました!

2月9日に当館にて近・現代史講演会を開催しました。
この近・現代史講演会は、地域の偉人である尾崎行雄にゆかりのある人物を取り上げています。以前、このブログでもご案内したとおり、今回のテーマは『高峰譲吉博士』。

高峰譲吉博士(高峰譲吉博士研究会提供)

高峰譲吉はアドレナリンやタカジアスターゼの発見者として有名であり、
アメリカからの桜寄贈の申し出を協力した人物です。

講師はNPO法人高峰譲吉博士研究会の理事長である清水昌(さかゆ)先生をお迎えし、高峰譲吉博士についてご講演をいただきました。

当日は30名の方にご参加いただきました。

 

講師の清水先生

講演会は、高峰譲吉博士の生い立ち、幕末~明治の激動期の様子、渡米後の活躍など、大変丁寧で分かりやすい内容でした。ご参加された方々も熱心に聞き入っているようでした。

尾崎行雄の桜寄贈は、本市の咢堂桜にも深く関係しており、地域の偉人の業績をいつもとは違った観点から改めて知る機会になりました。今後も、尾崎行雄の業績を講演会や、展示などからお知らせしていきます。

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神奈川県博物館協会の研修会

公立、私立を問わず、神奈川県内の100館を超える博物館が加盟する神奈川県博物館協会という団体があります。博物館(美術館、水族館、動物園、植物園などを含む)の横のつながりを密接にする交流や、年に5回程度の研修会を開催するほか、協会報など機関誌の発行を行っています。その今年度第5回研修会が2月8日に横浜市歴史博物館で開催されました。テーマは「博物館と学校連携について~博物館の使い方~」です。そこで事例報告として、当館の生物担当学芸員が「高校と博物館の連携 部活へ首を突っ込もう!」と題した事例報告を行いました。

事例報告を行う当館学芸員

当館がこの10年ほど進めている、動物標本を作製するサークル的な活動が、コロナ禍での休止期間を経て「さがみホネホネ団」として再起動した経過と、その活動に高校生を中心とした若い世代が博物館を利用している点を紹介しました。

さがみホネホネ団の活動

生物標本の作製や解剖などの作業に興味のある若い世代の活動の場を作るのは、決して人数としては多くはないのですが、博物館を利用する世代の中では希少な存在である中高生や大学生を博物館に呼びこめる活動は他館からの関心を引くことができました。もちろん、さがみホネホネ団には高齢者も参加していますし、年代の幅が広いのが特色です。

学びの収穫祭でのさがホネ団の発表

他の事例報告では、会場となった横浜市歴博から、日本一の規模の市である横浜市内の学校利用の受け入れ状況が報告されました。また、小田原市郷土文化館からは、学校に眠るお宝を“発掘”して企画展を行った事例、横須賀市自然・人文博物館からは、市民による様々な科学研究を中心として連携を広げる「みんなの理科フェス」の事例が報告されました。最後にパネルディスカッションが行われ、学校現場から、小学校と中高一貫校の先生方それぞれによるコメントをいただき、議論を進めました。

パネルディスカッションの様子

学芸員の限られた人員の中で、多数の学校の多人数の利用をどのように対応するか、学校へどのようにアプローチするのかなど、会場を含めて活発な議論が行われました。当館も他館の事例を参考に、学校との連携を深めていきたいと思います。
(生物担当学芸員)

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ウグイスカグラ開花

2月3日の立春を過ぎましたが、この冬一番の寒さが続いています。朝は霜柱を踏みつつ出勤しています。

博物館の近くで見た霜柱

そんな寒さの中でも、開花一番乗りはやっぱりウグイスカグラです。

ウグイスカグラの花

早い年は1月中から咲くのですが、今年は2月に入ってようやく咲き出しました。博物館前庭の株は、つぼみもたくさんつけているので、これからどんどん咲くでしょう。

ウグイスカグラのつぼみ

ウグイスカグラは花よりずっと後に葉が展開しますが、展開しながらも咲くので、春の中頃まで花を楽しめます。今は寒風の中、まずはしばらく一心に春を背負って咲いてくれるでしょう。
(生物担当学芸員)

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旧石器時代に関するミニ展示を開催中!【3/15まで】

現在、博物館エントランスにてミニ展示「旧石器時代のハンターと黒曜石」を開催しています。

これは中央区田名塩田にある田名向原遺跡が、史跡に指定されて25周年であることを記念したものです。田名向原遺跡からは旧石器時代の建物跡が発見され、人類の定住化を考える上で大変重要であることから、平成11年11月に史跡に指定されました。

遺跡の現地付近には田名向原遺跡旧石器時代学習館(愛称:旧石器ハテナ館)が建設され、同遺跡の重要性を伝えています。
旧石器ハテナ館:施設案内 史跡田名向原遺跡旧石器時代学習館(旧石器ハテナ館)|相模原市
旧石器ハテナ館でも旧石器時代のミニ展示を開催中ですので、こちらもぜひご覧ください。「遺跡の宝庫さがみはら~相模原の旧石器時代~」:chirasi_202502.pdf

当館でのミニ展示では、田名向原遺跡とほぼ同時期の2万年前の石器を展示しています。
2万年前は黒曜石を主な材料として石器を作っていたことが分かっています。

展示では遺跡から出土した信州や伊豆、箱根、神津島の黒曜石を産地ごとに紹介しています。
黒曜石は鋭利に割れるため、旧石器時代や縄文時代では貴重な刃物として重宝されました。

今回は旧石器時代のミニ展示なので、関連事業として学芸員による石器づくりを行います。展示のみではなく、石の割れ方や石器の作り方を実演から紹介します。
日時:令和7年2月11日(祝・火)、3月1日(土) 13:30~15:30まで
場所:博物館エントランス

この機会にぜひご覧ください!!
(考古担当学芸員)

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繭うさぎづくりを実施しました!

2月1日(日)、当館地階の大会議室はたくさんのお子さまやそのご家族で賑わっていました。先日のブログでもお知らせしたとおり、「繭うさぎづくり」のイベントに参加いただいた皆さまです。

見本を確認しながら、切り取ったパーツを組み合わせます。

この日は初めて繭うさぎづくりに挑戦する参加者も多かったようですが、市民学芸員の指導のもと、それぞれ力作を完成させていました。定例ミーティング終会後に繭うさぎづくりを練習した成果が存分に発揮されています。

どのテーブルでもほぼマンツーマンで市民学芸員による指導を受けられます。

カッターを使用したり、少し難しかったりする部分は大人がサポートしつつ、塗る色や顔のパーツの配置などを工夫して、思い思いのかわいらしい繭うさぎが出来上がっていきます。

黄色いお耳がかわいい!

お持ち帰り用の袋までかわいくデコレーションしてくれました!

また、会場内では「カイコの一生」のパネル展示を行い、材料の繭がどのように作られているのかを写真とともに紹介しました。今回の繭も昨年初夏に当館で飼育したカイコが作り出したもので、卵をふ化させるところから生物担当学芸員がお世話をしました。飼育の様子はこのブログでご覧いただけます。( ※繭ができる様子は⑧・⑨で紹介しています。)

「カイコの一生」パネル展

今では市域に養蚕農家が残っておらず、あまり馴染みないのない方もいるかもしれませんが、江戸時代以降の相模原では養蚕がさかんに行われていました。
イベントをとおして相模原とカイコとのつながりやカイコのライフサイクルを知り、地域のことに興味を持っていただけると嬉しく思います。

(歴史担当学芸員)

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残るヤドリギの果実

先日、市内南区の川沿いに立つケヤキに着生した、大きなヤドリギの株を見ました。ヤドリギは自ら光合成も行いますが、こうして大木の枝と根元を融合させ、水分や養分を吸収する「半寄生植物」です。

ヤドリギの大きな株

写真を拡大してみると、まだ果実がたくさんついていました。「まだ」というのも、例年、この時期には果実がヒレンジャクという野鳥に食べられてほとんどなくなるです。

ヤドリギの果実を食べるヒレンジャク 2020年撮影

ヒレンジャクは関東地方では年によって飛来数が大きく異なり、より北の地方の雪や食料の状況によって(つまり、北方の食料事情が良いと)、まったく飛来しない年もあるのです。今年はまだ近隣の地域からヒレンジャクの情報が聞かれません。ここ数年はヒレンジャクの当たり年が続いていたのですが、今年はどうでしょうか。
ヒレンジャクを含むレンジャク類とヤドリギは、じつは深い関係があります。ヤドリギの果実はこのように明るい色をした美しい果実です。

ヤドリギの果実

この果実をつぶしてみると・・

粘り気のある果肉

果肉に強い粘り気があります。
レンジャク類はこのヤドリギの果実を食べると、納豆のような粘り気のあるフンをします。そのフンに交じった種子が枝に粘着し、芽生えて新たにヤドリギの株を増やしていくという生態です。

納豆のような粘り気のあるフンをするヒレンジャク 2020年撮影

ヤドリギの果実は、レンジャク類以外ではヒヨドリが少し食べる程度で、他の鳥にはあまり好まれません。今年はヤドリギもちょっと寂しそうです。果たしてこれからやってくるのか、バードウォッチャーも少し気をもんでいます。
(生物担当学芸員)

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さがホネ団の遠足採集会

少し前のことですが、1月15日、博物館の動物標本作成グループの「さがみホネホネ団」(さがホネ団)の遠足採集会へ行きました。行先は、茨城県神栖市の波崎海岸です。外洋の鹿島灘に面した海岸には、様々な漂着物が打ち上げられます。海の無い相模原市では得られない資料が採集できるので、時々遠征しています。

広くて長い海岸を半日ほど歩き回りました

内陸では見られない、シロチドリもちょこちょこと歩き回っていました。

シロチドリ

そして冬の波崎への遠征で楽しみなのは、ミユビシギの群に会うことです。

ミユビシギの群

波打ち際を、波の出入りに合わせて高速で歩きながら採食します。動画で撮影してみたので、お楽しみください。

さがホネ団のみなさんがそれぞれ採集した資料は、標本化して「学びの収穫祭」などでご披露することになります。どうぞお楽しみに。
(生物担当学芸員)

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近・現代史講演会を開催します。【2月9日午後】

当館では尾崎行雄に関連する人物などをテーマに、毎年「近・現代史講演会」を開催しています。

今年は「高峰譲吉博士」がテーマです。
現在、アメリカのワシントン、ポトマック湖畔には桜が咲いています。
この桜は尾崎行雄が東京市長を務めていたころ、アメリカからの依頼に応えたもので、日米親善の象徴でもあります。
この依頼には当時アメリカに滞在していた高峰譲吉博士の協力がありました。

高峰譲吉博士(1854~1922)は化学者及び実業家であり、アドレナリンの発見者です。
若いころは農務省に勤め、日本初の人造肥料会社を設立しました。
そしてアメリカに拠点を移し、消化酵素であるタカジアスターゼの発明、
アドレナリンの発見など、大きな業績を残します。その後、日米親善に尽力されました。

高峰譲吉博士(高峰譲吉博士研究会 提供)

今回は講師に高峰譲吉博士研究会の理事長である清水昌(さかゆ)さんをお招きし、高峰譲吉博士についてご講演をいただきます。

開催日は2月9日(日)、午後1時30分から当館大会議室にて行います。
入場無料・申込不要です。参加ご希望の方は当日、会場までお越しください。

尾崎幸雄の桜に関するエピソードを知ることができる機会ですので、ぜひご参加ください!

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じっくり見る探鳥会

1月26日、市内のある公園で探鳥会のお手伝いをしてきました。野鳥をできるだけ全員でじっくり見られるように実施時間に対してコースを短めに設定しました。
果たして今回は、いくつかの種類を全員で観察することができました。まず、歩き始めて目の前15メートルほどのところで10分くらい姿を見せてくれたのは、モズです。

最初に堂々と姿を見せてくれたモズ

見やすい枯れ枝にとまって下を注視しています。時々地上に下りては何かをつまんで食べていました。
続いてエナガです。茂みの中でしたが、群がしばらく私たちの目の前を動き回ってくれて、そのかわいい姿を堪能しました。

エナガを全員が間近で見ることができました

終盤になり、ジョウビタキのオスを全員で観察していたのですが、参加者の一人が「トラツグミってここにもいますか?」と尋ねてこられました。えっ!と驚きつつ確認すると、なんと樹林の中にいました。どこにいるかわかりますか?

この画面の中にトラツグミがいますが・・

答えは赤丸の中です。よく見つけてくれたものです。その方はトラツグミを見るのが今年の目標の一つだということで、探していたそうです。

答えは、赤丸の中です

背景が暗めに抜けるとわかりますが、落ち葉の上にいるとほんとうにすごい保護色でわかりにくいですね。

トラツグミも全員で観察できました

観察した野鳥の種数は12種と少なかったのですが、全員で観察した内容がとても充実していて、大満足の探鳥会になりました。
(生物担当学芸員)

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【1/31まで】「学びの収穫祭」展示発表、今週がラストチャンスです!

昨年の11月23・24日に、日頃から当館を拠点活動とするボランティアグループや、当館学芸員が活動に関わる学校の部活動、大学の研究室などが活動内容や研究成果を発表する秋の祭典・「学びの収穫祭」を実施しました。大変盛り上がった23日の口頭発表会と展示発表のコアタイム、24日のワークショップと学芸員講演会の様子をこのブログでも紹介しましたので、よろしければ次のリンクからご覧ください。(1日目2日目

この2日間だけではなかなか見終えることができないため、展示発表については「学びの収穫祭」以降しばらく掲示していますが、本年度も好評につき延長していた展示期間も、いよいよ今週31日(金)が最終日となります。

情報サービスコーナー前の様子

自然・歴史展示室入口付近

令和6年度の「学びの収穫祭」展示発表では、33の団体や個人の方にご参加いただきました!特定の分野や似通ったテーマで区切らず、様々な発表内容が隣り合って入り交ざり、まさにお祭り状態の楽しい発表会です。

まだご覧になっていない方、もう一度ご覧になりたい方、ぜひ31日(金)までにお越しください!

※館内事業の都合により、一部掲示場所が移動している展示発表がございます。

(歴史担当学芸員)

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