講演会「小笠原のカメムシ」のご案内(9/25)

小笠原世界遺産センター主催の講演会「小笠原のカメムシ」(9月25日開催)にて、当館の動物担当学芸員が講演をします。

今回の講演会では、くさい匂いを出すことで有名(?)な昆虫のカメムシに焦点を当てます。
世界でも小笠原諸島にしかいない「固有種」たちを含む、カメムシの知られざる世界とそこに迫る危機、そして近年の研究で明らかになったことについてお話しします。
なぜカメムシ(が研究対象)なのか?カメムシにはどんな魅力があるのか?
若手研究者らによる熱いカメムシトークをお楽しみください。

小笠原諸島の固有種、ルリカメムシ

会場は東京都小笠原村にある小笠原世界遺産センターですが、オンライン配信も実施します(先着500名)。
詳細は以下のとおりです。
===========
小笠原世界遺産センター特別展「むし展」連携企画 講演会「小笠原のカメムシ」
日時:2024年9月25日(水曜日)午後7時から8時半
場所:小笠原世界遺産センター(東京都小笠原村父島字西町番地なし)
オンライン:Zoomによる配信(先着500名まで、申込不要)
オンライン視聴URL:こちらからアクセスしてください
お問い合わせ先:小笠原世界遺産センター
===========
(動物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , , | 講演会「小笠原のカメムシ」のご案内(9/25) はコメントを受け付けていません

【本日からオープン】令和6年度学習資料展が始まりました!

先日のブログでも告知したとおり、本日9月22日(日)から令和6年度学習資料展「相模原70年と学校給食のあゆみ」が始まりました。

屋外の案内幕も学習資料展仕様に衣替え!

秋季恒例の「学習資料展」は、当館の博物館ボランティア「市民学芸員」との協働により作り上げる企画展です。例年秋に実施される市内小学校の来館学習に合わせ、子どもたちの学習に役立ててもらうことを目的に、これまで様々なテーマで開催してきました。

本年は相模原市が市制施行70周年を迎える特別な1年であることから、メインテーマのひとつを「相模原70年のあゆみ」としました。
さらに、学習資料展の目的には“幅広い世代の語らいの場”となることも含まれるため、皆さまにとって身近な「学校給食」をもう一つのメインテーマに据えました。大人の方には懐かしい気持ちで、お子さまには目新しさを感じながら、展示をご覧いただければと思います。

会期初日である本日は、学習資料展関連イベントの初日でもありました。

ぶんぶんゴマ、上手く回っているね!

思い思いの色や柄で作る恒例の「ぶんぶんゴマ」では、初めは苦戦しながらも、市民学芸員の指導のもと次第にコツをつかんだ様子で、エントランスホールのそこかしこから“ブーン ブーン”という大きな音が聞こえました。

紙芝居クラブによる「食育紙芝居」は、全2回どちらの公演も立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。元気いっぱいな子どもたちとの掛け合いも見られ、紙芝居をとおして食べ物や食事の大切さに興味を持ってもらえたようです。

食育紙芝居、上演中!

相模原市食育推進マスコットキャラクター「サガピー」のフォトスポットは、お子さまのみならず大人の方にも大人気!ぬいぐるみが登場するのは関連イベントの日のみですが、フォトスポットは会期中常設していますので、ぜひサガピーに会いに来てください。

イベント時には、かわいいぬいぐるみの「サガピー」が皆さまをお迎えします。

次回の関連イベントは10月13日(日)に行います。詳しくはこちらをご確認ください。

(歴史担当学芸員)

カテゴリー: 今日の博物館, 考古・歴史・民俗 | タグ: , , , , | 【本日からオープン】令和6年度学習資料展が始まりました! はコメントを受け付けていません

ヒガンバナ

9月のお彼岸の頃、暦に合わせたかのように咲き出すのが、ヒガンバナです。博物館お隣の樹林地でも、いつの間にか咲いていました。

お隣の樹林地で咲くヒガンバナ

ヒガンバナは6~8個ほどの花が放射状に集まって咲くため、このような形をしています。一つ一つの花は、6枚の花弁と6本のおしべ、1本のめしべで構成されています。

真上から見たヒガンバナ

ここ何年か、秋の訪れが遅くなっているため、ヒガンバナの開花も遅くなっていると言われています。確かに、以前は9月10日前後から花が目立ってきていたように感じられます。これは、ヒガンバナが温度の低下を感知して開花するためです。冬の低温時から開花の準備は始まり、夏を経て秋になり、気温が20度くらいまで下がると開花するそうです。

つぼみもありました。この株は8つの花で構成されていました。

猛暑日すら連発の今年の秋は、ヒガンバナもちょっと戸惑っているかもしれません。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: | ヒガンバナ はコメントを受け付けていません

生きものミニサロン「飛ぶタネのモデルを作ろう!」を実施しました

9月21日は毎月恒例の生きものミニサロンの実施日ですが・・9月というのに外があまりにも暑いので、エントランスで実施することにしました。今回のテーマは「飛ぶタネのモデルを作ろう!」です。タンポポの綿毛に代表される風散布植物は、滞空時間を長くする様々なしくみを持っています。それを簡単な工作で再現するモデルを作ります。参考にする植物のタネはこちら、ニワウルシとモミジ(オオイタヤ)です。

ニワウルシ(左)とオオイタヤ(右)

参加者のみなさんに、実際に落として見本を実感してもらいました。

本物でまずは確認

ニワウルシは、それ自身が回転しつつ、渦を巻くように回りながら落ちる二重の回転をします。それを再現するモデルは、ごく簡単な工作でできます。

ニワウルシのモデル

幅1センチメートル、長さ20センチメートルほどに切った紙を、真ん中付近で合わせてホチキスでとめるだけです。とめる位置を真ん中から若干ずらすのがコツで、これによって二重の回転を再現できます。
続いて、モミジのタネです。ヘリコプターのローターのようにクルクルと回転するには、幅2センチメートル、長さ7センチメートルほどの紙を下の写真のように折って、先をクリップでとめるだけです。

モミジのモデル

そのままストンと落ちてしまうこともありますが、うまく落ちると、本物そっくりの回転をします。
みなさん上手に回すことができました。
続いてははこちら、南半球に分布するつる植物の、アルソミトラのタネです。

アルソミトラのタネ

薄い膜を入れると長さ10センチメートル以上あります。高い位置から静かに手を離すと、空中を滑るようにグライディングします。これを再現するには、薄手の梱包材を使います。

アルソミトラのモデル

型紙に合わせて切り取った後、中央におもりのセロテープを重ねて貼るのですが、この調整がなかなか難しく、みなさん苦労していました。

梱包材を型紙に合わせて切ります

小さなお子さんも挑戦

貼るのが1枚違うだけで飛び方がかわるので、何度も試しながら調整していました。それでもみなさんうまく飛ばすことができていました。最後に、本物のアルソミトラを飛ばすと、すぅっと柔らかく飛び、みなさんから歓声が上がりました。やっぱり自然はすごい!
次回は10月19日(土)12時から実施します。お楽しみに!
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 今日の博物館, 生きもの・地形・地質 | タグ: , , , | 生きものミニサロン「飛ぶタネのモデルを作ろう!」を実施しました はコメントを受け付けていません

民俗分野実習 5日目(9月20日)

こんにちは、民俗分野実習生です。

今日は展示の設営に向けてパネルとキャプションの文章の作成作業、印刷した文章をパネルに貼り付ける作業を行いました。

レイアウトにこだわりが⁉

タイトルや解説文は、子どもたちにも興味を持ってもらえるような華やかで、伝わりやすいデザインを心掛けて3人でアイデアを出し合いながら、一生懸命作成しました!
伝えたい内容を分かりやすく文字に起こすのが難しく、想像以上に時間と忍耐力、集中力が必要で企画を考え実現につなげることの大変さを痛感しました。

 

力が入ってズレちゃう

印刷した後は、適したサイズにカットしてのり付パネルに貼り付ける作業を行いました。
大きな定規でズレないように真っ直ぐ切るのが難しかったので慎重に作業進めました。

今日で私たちの実習も残り1日となりました。
最後まで学芸員のノウハウを余すことなく学んで帰りたいと思います!

私たちが作成した展示「比べて発見!旅のかばん」 は公開間近ですので、皆さん是非観に来てください!!

 

(令和6年民俗分野実習生)

カテゴリー: 今日の博物館, 考古・歴史・民俗 | タグ: , , | 民俗分野実習 5日目(9月20日) はコメントを受け付けていません

【地質分野実習生】展示を制作・解説しました

こんにちは。令和6年度地質分野学芸員実習生です。

私たちは2024年8月28日に山梨県都留市での野外調査で観察した湧水についての展示を作成しました。

 

展示をつくるにあたり、まず初めに構成を考えました。

その後、作業を分担し文字数や文字サイズに気を付けながらパネルの説明文をつくり、印刷しました。

印刷した説明文をパネルに貼り、余分な所を切り落として形を整えました。まっすぐ切れず苦戦しました。

展示ケース内にパネルをピンで留めました。

実物資料としては、収蔵庫から2点、私たちが採取したものを2点使用しました。

完成した展示はこちらです。

 

そして9月14日(土)には展示解説を行いました。

それぞれの来館者に合わせた解説をするのは難しかったですが、展示に興味を持っていただけて嬉しかったです。

拙い解説でしたが聞いてくださった方、足を止めてくださった方、ありがとうございました。

(令和6年度地質分野学芸員実習生)

カテゴリー: 報告, 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | 【地質分野実習生】展示を制作・解説しました はコメントを受け付けていません

令和6年度学習資料展「相模原70年と学校給食のあゆみ」を開催します!

9月22日(日)から令和6年度学習資料展「相模原70年と学校給食のあゆみ」を開催します。

「学習資料展」は、小中学生の皆さんの学習に役立てていただくことを目的にした企画展で、博物館ボランティア「市民学芸員」との協働で毎年開催しています。
今年のテーマは2本立てです。まず、今年は相模原市の市制施行70周年の節目の年であることから、本企画展では、市制施行の1954(昭和29)年から現在までの70年間のあゆみを、幅広い分野の資料とともに振り返ります。
さらに、相模原市では再来年に学校給食の開始から70年を迎えます。そのことに関連し、市の学校給食のあゆみについてもご紹介します。こちらでは学校給食課から借用した給食の調理器具の実物なども展示します。ご期待ください!

現在、特別展示室内では、市民学芸員の皆さんにより展示の準備が進行中です。

年表のパネルを壁に打ち付けます

展示物たち

ジオラマ展示も着々とできあがっています

展示の見どころは、追って本ブログで紹介したいと思います。

また、展示がオープンする9月22日(日)の午前10時~午後3時には、学習資料展の関連イベントを3つ実施します。学習資料展恒例の「ぶんぶんゴマ」作りと、食育に関する紙芝居(11:20からと13:55からの2回公演)、さらに、相模原市の食育推進マスコットキャラクターである、とってもかわいい「サガピー」のぬいぐるみとの記念撮影イベントも実施します。詳細は館のホームページをご確認ください。

皆さまのご来館を心よりお待ちしております!
(動物担当学芸員)

カテゴリー: おしらせ, 市民学芸員 | タグ: , , | 令和6年度学習資料展「相模原70年と学校給食のあゆみ」を開催します! はコメントを受け付けていません

民俗分野実習4日目(9月19日)

皆さんこんにちは。民俗分野の実習生です。

分野別実習4日目の今日は、展示発表で用いる資料の清掃・選定、展示パネル作成を行いました。

展示候補の資料を確認しました。メンテナンスを行うことで資料がよりきれいになりました。

メンテナンス作業を行っている様子

メンテナンス完了!ピカピカになりました。

資料が綺麗になったので、次に展示発表で用いる資料の選定を行いました。展示ケースの大きさや、資料のバックグラウンド、使用用途の観点などから2点の資料を選びました。どの資料も魅力的で、資料選びに苦戦しました。

展示資料を選定中

後半は展示パネル作成に入りました。
限られた文字数の中で資料の歴史や魅力が伝わるパネルを作成するのが難しかったのです。

明日からは展示設営が始まります。皆さんに楽しんでいただけるような展示になるよう頑張ります。お楽しみに〜✨

(令和6年度民俗分野実習生)

カテゴリー: 今日の博物館, 考古・歴史・民俗 | タグ: , | 民俗分野実習4日目(9月19日) はコメントを受け付けていません

タカの渡りが始まっています

9月中旬となり、タカの渡りのシーズンを迎えました。全国各地に観察ポイントがある中、市内でもいくつかの場所でカウントが行われています。9月17日にその一つのポイントへ行ってきました。
まだ数は少なかったのですが、サシバとハチクマがそれぞれ数羽ずつ、西へ流れていくのを確認しました。とても遠い空を飛んでいたので、望遠レンズで撮影した写真をさらに拡大しても、これくらいの大きさです。それでも、シルエットからハチクマであることがわかります。

ハチクマの飛翔

渡りと、普通に飛んでいるのとどう見分けるのか不思議に思われるかもしれませんが、実際に見るとはっきりわかります。旋回しながら一気に高空へ上がり、あっさりと西へグライディングしていきます。その潔い切り替えとスピードは、通常の飛翔とは大きく異なるからです。
飛ぶ数が少なかったので、合間に付近の草地に目をやると、ツリガネニンジンが咲いていました。

ツリガネニンジン

さらに足元でなにか動いたと思ってそちらを見たのですが、何も見つけられません。

なにか動いたはず・・

おかしいなと思い、さらに目を凝らすと・・

上の写真の中央やや右を拡大して見ると、ショウリョウバッタがいました

見事な保護色のショウリョウバッタでした。
これから2週間ほどは、天気予報から目が離せません。午前中が晴天で西向きの風が吹く日は、渡る数も多くなります。それがスケジュールとうまく合ってたくさんのタカを見られたら、またこのブログで紹介したいと思います。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , , | タカの渡りが始まっています はコメントを受け付けていません

日本鳥学会大会に参加しました

9月13日~16日まで、東京大学農学部を主会場として日本鳥学会2024年度大会が開催されました。日本の鳥学の最前線を知ることができるとても刺激的な大会です。

東京大学農学部(弥生キャンパス)で開催されました

学会というとプロの研究者の集まりのように思われがちですが、学生はもちろん、アマチュアの研究者もたくさん参加します。特に鳥学会は若い人の比率が高いように思われます。小学生から高校生の年代も数百人参加していたとのことで、こうした年代によるポスター発表もたくさんありました。
当館学芸員も、自由集会「博物館施設の標本製作の現状と課題」の中で、「若い人を博物館に呼びこめる!ホネホネ活動」と題した事例報告を行いました。

満席となった自由集会の様子

当館の標本製作ボランティアグループの「さがみホネホネ団」の活動の経緯や、これに近隣の大学生や高校生がたくさん参加してくれていることなどを紹介しました。終了後に「自分も活動に参加したい」との声を多くいただくことができました。
そして、今年の大会の目玉の一つがこちら「日本鳥類目録第8版」の刊行です。

日本鳥類目録改訂第8版

12年ぶりとなるこの改訂版は、大会に合わせて販売開始となりました。「鳥類目録」とは一般に馴染のない書籍だと思いますが、鳥学に関わる人にとっては必携の書です。というのも、日本に分布する鳥類の学名や、仲間分け(科のくくり方)とその並び順(分類順)は基本的にこの目録に準拠することになっているからです。ちなみに、市販の図鑑もこの目録に従って配列や科名、学名などを記載しています。
分類学や生態学、発生学、病理学など、様々な切り口からたくさんの研究発表が行われただけでなく、研究機器のデモンストレーションや鳥グッズの販売、野外観察会など盛りだくさんの内容で充実した4日間でした。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , | 日本鳥学会大会に参加しました はコメントを受け付けていません