生物分野実習4日目(8月28日)

こんにちは!生物分野の実習生(近内、宮地、山口)です。
本日(8月28日)は、生きものミニサロンウェブ版の動画撮影を行いました。

猛暑の中、がんばって撮影しています!

今回の生きものミニサロンは私たちが企画・制作をします。

葉っぱを使った実験的な工作をするので、お楽しみに!
博物館ホームページ「ネットで楽しむ博物館」にて9月上旬に公開予定です!
おびのっちも登場しますよ!

当館オリジナルキャラクターの“おびのっち”

昨日に引き続き、登場してくれたアカスジキンカメムシが撮影に応じてくれました。

昨日の二匹とおそらく同じ個体で、左が成虫、右が幼虫

今日も二匹で仲良く過ごしています。
幼虫はひとまわり大きくなり、うっすら成虫の模様も見えてきました。

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生物分野実習3日目(8月27日)

こんにちは!生物実習生です。

今日(8月27日)は、8月20日に採集した植物を標本に整えました。

自分で採集した標本をマウント(台紙貼り)しました

みなさん標本ラベルを知っていますか?

植物の標本ラベル

標本ラベルは、「採集地・採集年月・採集者名・学名」等を記入することで標本に学術的価値を持たせるものです。
永久に残る資料なので、綺麗な字で間違えないように気をつけて作業を行いました。

アカスジキンカメムシの幼虫(左)と成虫(右)

8月26日に撮影したアカスジキンカメムシが成虫に変態しました。

大きくなるとこんな模様になるようです。

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地質分野実習 ~採集編②~

こんにちは!地質分野の実習生(熱田・木目沢・高橋・森下)です。

今日(8月20日)は昨日に続いて野外実習でした。

上溝駅近辺で地層の観察と標本採集をします。

2回目ということで少しだけ手際が良くなっていたでしょうか…?

午後は再び採集した標本の洗浄作業です。

何度も泥を洗い流すのは根気が必要でした。

そして、昨日採集・洗浄した標本の顕微鏡観察もしました。

土に含まれていた鉱物がはっきりと見えるようになっているので、種類や割合を比較します。

下の2枚の写真は実際に見た鉱物です。キラキラと輝いていてとても綺麗ですね。

黒い粒は磁鉄鉱。磁石を近づけると集まる性質を持っている。

箱根山の火山灰。数種類の鉱物が混ざっている。白い部分と黒い部分は鉱物。黄土色は軽石。

全2回の野外実習は天気にも恵まれて、無事に終えることができました。

ここで得た知識と標本を、次は展示制作に活かさなければなりません。

難しそうですが頑張っていきます!

 

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地質分野実習 ~採集編①~

こんにちは!地質分野の実習生(熱田・木目沢・高橋・森下)です。

今日(8月19日)は相模原市南区古淵の崖に行き、地層の観察をしました。

この野外実習では相模野台地の関東ローム層や火山堆積物の観察と採集をします。

スコップを用いて標本を採取して

午後は博物館に戻り、火山灰中の鉱物を観察するために洗浄を行いました。

下の写真は超音波洗浄機を使用しているところです。

標本が洗われて、泥に隠れていた鉱物の粒があらわになるのが新鮮でした!

洗浄した鉱物を日当たりが良い場所で明日まで乾燥させます。

今日の野外実習中スズメバチが近くにいたりちょっとヒヤッとした時もありましたが、

普段はできない作業だったため、とても楽しく貴重な体験でした。

明日も野外実習なので楽しみです!

 

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8月星空情報「土星と木星が見頃」

8月も終わりに近づき、暑い日が続きますが、少し肌寒く感じる日も出てきましたね。
みなさん体調など崩されていませんか?

さて、日の入り後、あたりが暗くなってきた頃の南東の空には、太陽系の惑星、土星と木星が並ぶように見えてきます。より明るい方が木星、その右側に見えるのが土星です。特に木星は、夜空の星の中でもひときわ明るく輝いていて、とてもきれいです。

図:土星と木星が見頃 [↑クリックで拡大]
(国立天文台 天文情報センター)

土星と木星は、8月に地球から見て太陽とちょうど反対側になる「衝(しょう)」を迎えました。この時期は夜空で一晩中見ることができ、9月に入っても観望の好機が続きます。また、9月16日から18日にかけては2つの惑星が月の近くに見えます。どれも明るいので街明かりのある場所でも見つけやすく、博物館の周辺でも肉眼で簡単に見つけられます。みなさんもぜひ、家の近くから空を見上げて探してみてください。
次の写真は過去に撮影した月、土星、木星です。
(※今の時期とは、土星や木星の位置関係が違います)

丹沢山地に沈む月、木星、土星 [↑クリックで拡大]
(2020/12/17撮影:当館職員)

また、木星と土星は、道具を使って観察するのもおすすめです。
木星は望遠鏡を使うと表面に何本かの縞模様(しまもよう)を見ることができます。
見るタイミングによっては「大赤斑(だいせきはん)」と呼ばれる赤っぽい楕円形の模様が見られます。

木星の大赤斑
(撮影:相模原市立博物館天文クラブ)

木星の少し離れたところには「ガリレオ衛星」と呼ばれる4つの明るい衛星があり、大きな双眼鏡でも見ることができます。
ガリレオ衛星は木星のむこうに回り込んで4つ全部が見えないこともありますが、木星の前を通過したり、後ろに隠れたりする様子を見るのも木星観測の楽しさの一つかもしれません。

木星とガリレオ衛星[カリスト、ガニメデ、イオ、エウロパ]
(2020/12/21撮影:当館職員)

そして土星は、なんといっても美しい環(わ)が見られます。
木星、天王星、海王星にも環がありますが、地上から家庭で使う程度の望遠鏡でも環が見えるのは土星だけです。
望遠鏡をお持ちの方は、ぜひ、この機会に環を持つ土星の姿を楽しんでみてください。

土星の美しい環
(撮影:相模原市立博物館天文クラブ)

 

木星の大赤斑や土星をもっと詳しく知りたい方は、当館公式YouTubeチャンネル「ネットで楽しむ博物館」の”星空さんぽ 2021年8月ミニテーマ:木星と土星(約6分)“をご覧ください。

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「軍都さがみはら展」のコーナー解説ブログ②-1

今回は、緊急事態宣言を受け、8/5で終了となりました博物館×公文書館共催 相模原町誕生80年記念企画「軍都さがみはら展~国内最大の町誕生物語~」のコーナー解説の2回目を記します。

企画展入口看板です(生き物写真展も同会場で開催していました)

今回のテーマは、②「各陸軍施設の移転と建設」で、その前半になります。

タイトルパネルとコーナーの冒頭

前回の「陸軍士官学校の東京からの移転」ブログで紹介しましたが、1937年(昭和12)に陸軍士官学校の東京市ヶ谷からの移転を契機に、現在の市域に陸軍施設が次々と移転・建設されました。

それは、現在のJR横浜線沿いに、相模陸軍造兵廠(ぞうへいしょう)・陸軍兵器学校・陸軍機甲整備学校(現在の博物館周辺)の3施設、そして小田急線沿いには臨時東京第三陸軍病院・電信第一連隊・陸軍通信学校・相模原陸軍病院の4施設があり、計7施設になります。この7施設について、2回に分けて解説していきたいと思います。

1941年誕生の相模原町域の軍事施設

最初は、相模陸軍造兵廠で、現在のJR相模原駅から矢部駅の北側にあった施設です。現在は米陸軍相模総合補給廠になっています。造兵廠では、戦車、銃砲、砲弾などを製造していました。今回の展示では、造兵廠工員の募集要項や給料袋、造兵廠内の写真等のほか、補給廠内に残されていた戦前の軍車両のキャタピラー(正式名称:無限軌道【むげんきどう】)などを展示しました。

陸軍造兵廠の工員や関係写真

補給廠内に残されていた軍事車両のキャタピラー(正式名称は無限軌道)… 97式戦車チハ車か大砲の牽(けん)引車のものか…

造兵廠と隣接してあったのが陸軍兵器学校で、現在のJR矢部駅と淵野辺駅の北側にありました。現在は麻布大学や、周辺の住宅、大野北小・中学校などになっています。陸軍兵器学校は、各種兵器の技術に関する教育、調査・研究、修理などを行いました。今回の展示では、兵器学校卒業生から寄贈された教科書、卒業アルバムのほか大砲の砲弾などを展示しました。

兵器学校関係資料

今回最後に紹介するのが、陸軍機甲整備学校で、現在の博物館、JAXA、弥栄小・中学校、高校などを含む淵野辺公園周辺一帯になります。機甲とは戦車などのことで、陸軍車両の整備・修理などについて学ぶ学校でした。戦後はキャンプ淵野辺となり、1974年(昭和49)に返還されました。今回の展示では、学校内での教練の写真や車両に関する教材などを展示しました。

陸軍機甲整備学校関係の展示

今回は、陸軍士官学校以外の7施設のうち、横浜線沿いにある相模陸軍造兵廠、陸軍兵器学校、陸軍機甲整備学校を紹介しました。このように横浜線沿いには、主に軍事工場系施設が建設されたことがわかります。

各陸軍施設の詳細は、『相模原市史 現代テーマ編~軍事・都市化~』ほか近現代関係の『相模原市史』などを図書館等でご覧ください。(市役所行政資料コーナーや博物館ミュージアムショップで購入も可能です)

『相模原市史 現代テーマ編』ほか近現代関係

また、当館は緊急事態宣言中は休館のため、企画展の展示解説動画を当館ホームページ「ネットで楽しむ博物館」に掲載しておりますので、動画もご覧いただければ幸いです。

当館ホームページ「ネットで楽しむ博物館」

次回は、小田急線沿いにあった陸軍施設について紹介します。

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博物館実習 歴史分野実習一日目です!

みなさんこんにちは。今年度の相模原市立博物館歴史分野の実習生です!

 

学芸員や調査員の指導の下、くずし字と格闘しています・・・

 

本日から分野別実習が始まりました。初日である本日は、江戸時代~明治初め頃の古文書の整理を行いました。

 

村境争論に関する絵図を調査中です!

 

古文書を普通の封筒から中性紙封筒に入れ替える作業がメインです。古文書を中性紙封筒に入れると資料の劣化が防げるので、古文書を後世に残すためにも、非常に重要な作業です。

 

水車を作りたい人が申請した書類を整理した中性紙封筒です。

 

古文書を分類するにあたり、「くずし字」という、当時の人が書いていた字を解読するのですが、これがなかなか難しいのです💦 私たちも辞書を引きながら少しずつ読んでいきました。

少しですが、読めるくずし字が増えました・・・

 

分野別実習は始まったばかりですが、これから残りの五日間、最終目的のミニ展示に向けて頑張っていきたいと思います!

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生物分野実習2日目(8月26日)

こんにちは!生物分野の実習生(近内、宮地、山口)です。
本日(8月26日)は専門実習2日目で、企画展示の撤収(移動)と、前回に引き続き標本のレスキュー作業を行いました。

午前中の特別展示「わぉ!な生きものフォトコンテスト」の撤収作業では、作品を特別展示室から常設展示室の出口付近へ移動しました。現在は休館中ですが、再開したらぜひ見に来てください!

フォトコンテスト写真展の移動作業

午後の標本のレスキュー作業では、前回と同様に水害に遭った植物標本の洗浄を行いました。

水害で被災した植物標本の束(標本が新聞紙に挟まれています。新聞も古いものが多く、歴史的資料のようです)

今回の標本は水がしみているものや、虫喰いやカビによって状態が悪くなっているものがあり、より丁寧に汚れを落とすよう心がけました。

今日は、館の入り口付近の木の葉っぱに、アカスジキンカメムシの幼虫がいることに気付きました。

アカスジキンカメムシ

背中の模様、みなさんには何に見えますか?

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考古分野の博物館実習その2

考古分野の博物館実習も、いよいよ後半に突入です。実習の前半は前回ご紹介したとおり、資料の基本的な整理方法を学びましたが、後半は、展示の実習となります。常設展示室の一角を使って、実習生が一つのチームになってオリジナルの展示を作り上げます。

今回展示を行うスペース

展示実習初日の8月24日は、今回の展示テーマを決めるため、遺跡の参考資料などを見ながら打ち合わせを行いました。浮かんだアイデアをホワイトボードに書きつつ熱い議論は午前中いっぱい続き、ようやく、今回は縄文時代の「土偶」をテーマにすることに決まりました。

展示テーマの打ち合わせ

午後からは展示候補となる土偶の確認を行うため考古資料収蔵庫に移動し、収納箱から取り出した土偶を一点ずつ観察し、大きさや状態を確認していきました。

収蔵庫での資料確認

収蔵庫から戻ったら再び議論再開です。土偶をどのようなタイトルで展示し、どんなメッセージを伝えるのか、担当学芸員の助言を得ながら意見を出し合いました。しかし、途中、議論が煮詰まってしまう場面が何度もあり、なかなかまとめることができません。今日中にまとめることは無理かな?とも思われましたが、終了時間の間際で、なんとか展示タイトルまで決めることができました。

実習は残り2日となりますが、これからどんな展示になるのか、その様子を引き続きレポートしたいと思います。

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春とは印象の違う植物

博物館の前庭の樹木の一つに、こんなものがついています。

枝から何か異様なものがぶらさがっています

今年は臨時休館中のためお問い合わせもありませんが、例年、「これは病気?」とか「虫こぶですか?」などと尋ねられることがあります。でも、よくこのゴツゴツしたものを見てみると・・

何かが生まれそう・・

ちょっとホラーな見た目ですね・・

怪物の目ざめ・・?

正体を知らないと思わず後ずさりしたくなるような雰囲気ですが、冷静に観察すると、どうやら果実から種子が顔を出しているということが理解できます。そう、病気でも虫こぶでもなくて、これはしっかり実った果実なのです。では、なんの果実かというと、その花は・・

コブシの花(3月に撮影)

春の訪れを告げる花、コブシです。春に咲く花と果実は随分と異なる印象です。
この純白の可憐な花の名前がそもそもコブシ(拳)なんていう力強い名前である理由は、この果実にあります。果実が握りこぶしのようだから・・
この種子にはもう少しおもしろい特徴があるのですが、それはもう少し熟してからご紹介したいと思います。

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