6月2日の給桑開始から45日目、ちょっと予定より遅くなりましたが、乾燥させずに残していた繭から成虫が出てきました。
じっと繭の上にとまっています。まるでぬいぐるみのようなかわいらしさです。
お腹の先から誘引腺(ゆういんせん)を突き出して、オスを引き寄せるフェロモンを放出しているのですが、残念ながらオスはまだ羽化していません。
羽化した成虫はじっとしているので、状態を見ながら透明なカップに入れて少しの間、展示する予定です。
6月2日の給桑開始から45日目、ちょっと予定より遅くなりましたが、乾燥させずに残していた繭から成虫が出てきました。
じっと繭の上にとまっています。まるでぬいぐるみのようなかわいらしさです。
お腹の先から誘引腺(ゆういんせん)を突き出して、オスを引き寄せるフェロモンを放出しているのですが、残念ながらオスはまだ羽化していません。
羽化した成虫はじっとしているので、状態を見ながら透明なカップに入れて少しの間、展示する予定です。
緑区へ植物調査へ行きました。お天気の良い午前中のうちに調査を済ませようと歩いていると、モンシロチョウがたくさんいました。ヒメジョオンの花で吸蜜しています。
飛び交っているモンシロチョウを見ていたら、不思議な姿勢をしている個体と、そこへ近づこうとしているもう1匹がいたので写真を撮ってみると・・
止まっているモンシロチョウは、腹部の先をピンと立てて、そこへ近づくもう1匹がいます。最初はメスがオスを交尾に誘っているのかと思ったのですが、調べてみると、これは逆で、すでに交尾を済ませたメスが、オスを拒絶する姿勢だそうです。
確かに、飛んでいる個体は数回近づいてから飛び去りました。
さらに別の場所では、2匹がからみあうように飛んでいたので写真を撮ってみました。
仲良くランデブー?と思ったのですが、これもよくよく見ると、しつこく追いかけてくるオスを、メスが振り切ろうとしているだけなのかも・・
昆虫の世界もなかなか厳しいですね。
7月8日(木)午後に博物館の消防計画に基づき、また、職員やスタッフの防災意識を高めるために防災訓練を実施しました。
今回は、地震によって火災が発生したことを想定して訓練を行いました。
今回の訓練には、来館者の皆様にも参加していただいたので、実際の状況に近い形で訓練を行うことができました。ご参加いただいた皆様誠にありがとうございました。
今回の訓練をいかして、非常時にも皆様の安全を確保していきたいと思います!
相模原市立博物館の向かいにあるJAXA相模原キャンパス(国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所)は、日本の宇宙科学研究の拠点として、様々な人工衛星や探査機、ロケットの開発・運用などを行っています。また、キャンパス内には見学ができる宇宙科学探査交流棟があり、宇宙科学のあゆみ(年表・資料)、ロケットの部品やエンジン、「はやぶさ2」の実寸大模型、将来の探査計画が分かるパネルなどを展示しています。屋外にはM-Vロケット(実機)やM-3SⅡロケット(模型)も見ることができます。
最先端の宇宙科学研究を支える様々な施設や設備がある中で、キャンパス内のデザインにも注目してみましょう。施設入口の正門は、ある自然現象をモチーフに作られています。
よく見ると門が何やら波打っていますが、この形から皆さんは何を想像しますか?
これは”オーロラ”をモチーフにしているそうです。
他にも、正門から入るとすぐに見える研究・管理棟の前には、“銀河の流れ”と題した、小山やスロープ状の構造物と植栽があります。小山は銀閣寺の向月台(こうげつだい)を模したもので、スロープは植栽が宇宙の闇に例えられ、その間を生命の起源である水を湛えた銀河が流れている様を表しているデザインとのことです。そこには1本の大きな桜の木があり、春になると写真のような美しい姿を見ることができます。
新たな宇宙への可能性を切り開いているJAXA相模原キャンパスへ皆さんも訪れて、宇宙への夢を感じてみませんか?その際はぜひ、すぐ近くにある相模原市立博物館も見学に来てくださいね。
〔※〕新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、宇宙科学探査交流棟の見学は事前予約制となっております(2021年7月時点)。詳しくはこちら(宇宙科学探査交流棟HP)をご覧ください。
・このかるたは、当館のボランティア市民学芸員が2017年に制作したものです。
・貸出しの詳細やその他このかるたに関心のある方は、博物館までお問い合わせください。(042-750-8030)
*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・手指の消毒などを必ず行ってください。
7月9日、緑区の丘陵地へ、野生ランの開花情報があったので確認してきました。
まずはこちらのオオバノトンボソウです。
先日このブログで紹介したコクランは、妖精が遊園地の遊具に乗って空中を飛んでいるような形の花でしたが、今回も・・
空中というより、エイが水中をゆらゆらと泳いでいるような感じでしょうか。
この撮影も、蚊の猛攻撃に閉口しました。でもがんばってもう1種類。こちらはタシロランです。
緑色の部分が無い、菌従属栄養植物です。自分で光合成せず、樹木などの根にとりついてその植物と共生する菌根菌に、あろうことか寄生してしまう植物です。植物と共生する菌に寄生・・ややこしいですね。そのせいか、氷のような輝きを持つ花はちょっと妖しげに見えます。
博物館へ戻ってきたら、前庭に甘い香りが漂っていました。その香りの元は、ヤマユリです。
今年も大きな花を咲かせました。これからしばらく見ごろになりますので、博物館へお越しの際はぜひご覧ください。道路に面した案内看板のウラ側に咲いています。
自然・歴史展示室の出口付近に展示ケースが一台あります。ここでは、平成28年度から継続して博物館とボランティアの市民学芸員有志が協働で展示を行っており、平成27年に閉館した津久井郷土資料室が収蔵していたいろいろな資料(現在は博物館で保管)を紹介しています。
今回は、多くの資料の中から、商店の大売り出しのポスターやチラシ(買う)、洋服の型紙(自宅で作る)、家庭科授業ノート(作り方を学ぶ)など、昭和時代の「衣」に関係する資料を展示します。また、第二次世界大戦中から戦後にかけて、物資が統制されて配給(はいきゅう)制度のもとで衣料切符がないと買うことができない時代もあり、そうした当時の様子をうかがわせる衣料切符も紹介します。
衣料切符
私たちの生活に身近な衣服を整える仕方にも、さまざまな移り変わりがあったことを示す資料をこの機会にご覧いただければと思います。展示期間は7月7日(水)~11月2日(火)です。
7月7日、二十四節季の小暑(しょうしょ)となりました。「暑さがだんだん強まっていく頃」という意味です。
ところが、だんだんどころか、この日の日中は雲間に射す日光が地面の水分を瞬く間に蒸発させ、ものすごい湿度になりました。そんな厳しい中でしたが、確認しておきたい植物があったので、緑区のある林道へ向かいました。こちらの植物、コクランです。
野生ランの一種ですが、一見すると花が地味で目立ちません。でも、拡大してみると・・
遊園地にある、飛行機型の乗り物が支柱の周りをグルグル回る遊具のように見えます。乗っているのは妖精?それとも・・みなさんは何に見えますか?
横から見てもポーズを決めて運転しているようです。
とてもかわいらしい花を撮影できて嬉しかったのですが・・撮影環境はとても過酷。吹き出す汗に、蚊がぶんぶん群がり、足元はわらわらと近寄って来るヤマビル・・。忌避剤など使って難を逃れましたが、この季節は目的のもの以外にもいろいろな生き物が活発なので、撮影も一苦労です。
当館は開館する平成7年(1995)11月までに、14年7カ月もの長い建設準備期間があったことは本ブログにも記してきましたが、準備の間にはテーマを決めた調査も実施していて、これまでにもそうした川漁や鍛冶屋などの写真を紹介してきました。今回取り上げる獅子舞(ししまい)もその中の一つです。
市内で行われている獅子舞は、「一人立ち三匹獅子舞」と言われ、一頭の獅子を一人で担当して、それが三匹で一組となって踊るものです。緑区鳥屋・大島・下九沢と、中央区田名で行われており、調査は隣接する愛川町三増(みませ)を含めた五か所において、平成元年(1989)度から5年(1993)度まで実施されました。なお、鳥屋は調査当時は津久井町でした。
最初の写真は鳥屋で、獅子頭が飾られていますが、前にあるのが現在使われている獅子頭、奥側が元々使われていたものです。この獅子頭には、17世紀に獅子舞を当地に伝えたとされる僧侶「円海」の名が彫られており、古くからのものとされています。二枚目の写真は諏訪神社の祭礼での獅子舞の様子で、ムシロの上で並んで踊っています(平成元年[1989]8月10日)。
次の写真は愛川町三増の前日の状況で、花笠を用意したり、練習をしているところです。調査では祭りの場での獅子舞だけでなく、準備や後片付けを含む一連の流れを記録しています(平成2年[1990]7月14日)。
田名八幡宮の獅子舞は、男獅子(おじし)と女獅子(めじし)、子獅子(こじし)の三匹の獅子が出て、特に後半に女獅子を隠すような場面があります。この「女獅子隠し」は各地の三匹獅子舞に見られるものの、隣接する大島や下九沢では行われません(平成3年[1991]9月1日)。
「三匹獅子舞」と言っても実は場所によって、獅子以外のものが一緒に踊ります。下九沢・御嶽神社では、鬼の面をかぶった岡崎(おかざき)が付き、写真では、土俵の中の三匹の獅子とともに向かって左側に岡崎が写っています(平成4年[1992]8月26日)。
最後の写真は大島・諏訪明神で、ここでは三獅子とともに、鬼と天狗(てんぐ)・岡崎によって構成されています。三匹の獅子が踊るちょうど真ん中奥に鬼、向かって右側に岡崎が見えています。なお、天狗は、獅子舞が始まる前に土俵のしめ縄を切ったりする役目で、一緒に踊ることはありません(平成5年[1993]8月27日)。
実は「一人立ち三匹獅子舞」は、全国的には東北地方南部から関東地方に分布していて、相模原市はこの分布の南限に当たっており、地域の民俗を考える上で重要なものの一つと考えられています。 また、この調査では、各地の獅子舞の伝承や当時の状況を丁寧に調べて報告書にまとめており、例えば実施日が変更されるなどの変化も生じている現状において、その意味でも貴重な成果と言うことができます。なお、それぞれの獅子舞の調査報告書は博物館で読むことができます。
給桑開始から28日でほぼすべてのカイコを上蔟(じょうぞく:繭を作る場所への移動)しました。
蔟(まぶし)からはずした状態の繭です。まわりにはケバがついてます。
このケバも、立派なシルクです。集めて活用しようと考えています。ケバを取ると、しっかり作られた繭の形がよくわかります。
今年の繭も出来は上々。大きさも長径が4cm前後のものがほとんどです。
7月6日、上蔟から1週間が過ぎたため、繭の乾燥を行っています。乾燥は、通常は天日干しをしますが、博物館では熱風乾燥機で一気に乾燥させます。飼育展示も、繭の展示となりました。
一部の繭は乾燥させずにおいて、成虫を羽化させます。羽化した成虫も展示する予定です。
こちらはすでに乾燥させた繭の感触を確かめていただけるよう、触れる繭の展示です。(事前の手指消毒をお願いしています)
日々移り変わる飼育展示です。近日中に、いろいろな色や形の繭の展示も追加する予定です。
6月30日、緑区の西部へ絶滅危惧生物の探索調査に出かけました。あいにくの梅雨空で、時々小雨がぱらつくお天気でした。調査目的の生きものには会えずじまいだったのですが、そんなジメッとした天候のとき、ムシたちは結構、活発です。
忙しく花から花へと飛び回っていたのは、トラマルハナバチ。
素早く飛んだかと思うと、突然ピタッと止まるのは、キマダラセセリ。
対照的にヒラヒラ舞っていたのはモンシロチョウ。ここでは、よく似たスジグロシロチョウはほとんど見かけず、モンシロチョウばかりでした。
オオニジュウヤホシテントウです。星模様はナナホシテントウくらいだと数えられますが、ここまで多いとちょっと数えにくいですね。
昆虫ではありませんが、素早く走り回っていたのはイオウイロハシリグモ。網を張らずに駆け回って獲物を獲るハンターです。
虫たちが多いということは・・それを食べる鳥も活発です。電線ではツバメの巣立ちビナが親から給餌を受けていました。
太陽と青空が恋しい季節ですが、雨が激しくなければ、気温もそれほど高くなく、生きものを観察しやすい季節でもあります。