鳥が落としたもの2題

4月28日、宮ヶ瀬湖畔で、こんなものを拾いました。

ペリット

植栽されたサクラの木の根元に落ちていたのですが、キラキラしたものが光るお団子のようなもの。これは、鳥が吐き出したペリットです。鳥は歯を持たないので、大きな食べ物を嘴でちぎることはありますが、基本的には丸飲みにします。当然、消化しにくいものもそのまま飲み込むのですが、消化器官の筋胃(いわゆる砂肝)ですりつぶして、消化しやすいものは胃へ送られ、羽毛、獣毛など繊維質のものや骨、昆虫の外骨格などの消化しにくいものは、まとめて逆流させて吐き出します。これがペリットです。
さて、写真のペリットは、長さが5センチメートルほどあります。これだけ大きなペリットを吐き出すのは、体も大型の鳥です。ペリットの形状などから考えると、カラスくらいの大きさの鳥なのですが・・

ペリット(表面を拡大)

ペリットの中身がほぼ甲虫類(昆虫の専門家に聞いてみると、スジコガネ類など光沢のある翅が多いようです)で占められています。カラスがこんなに甲虫類を食べるのだろうか?と疑問に思います。でも考えてみると、夏の朝など、カラスがカブトムシを食べた痕がたくさん落ちていることもあり(カラスはオスのカブトムシの場合、前の部分はツノなどあって食べにくいので、ちぎって残すために見分けられます)、意外とコガネムシの仲間が好きなのかもしれません。
次に、4月29日の朝、博物館近くの歩道を歩いていると、数十メートル先の地面に何かがべチャッと落ちました。

歩道に落ちてきたもの

上を見ると、キジバトが電線にとまっています。近づいてみると、卵でした。

路上に産み落とされた卵

産み落とす場所が違うよ!と言いたくなりましたが、素知らぬ顔で?キジバトは飛び去りました。朝、産むはずだった巣が何者かに落とされてしまったのか、事情はわかりません。

キジバト(別の日に博物館近くで撮影)

それにしても、こんなところでキジバトの産卵を目撃するのは初めてで、とても驚きました。
野生の生きものを見ていると、想定外のことばかりで楽しいです。

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白い花のカントウタンポポ

4月27日、相模原市自然環境観察員制度の全体調査で実施中のタンポポ調査を、緑区の鳥屋(とや)地区などで行ってきました。在来種があるかどうかが、やはり気になります。在来種が好む環境は、里山です。鳥屋地区にはそうした場所も多く、目星をつけた畑の脇などを探すことになります。ある場所の果樹園の脇で、在来種らしきタンポポを見つけたので周りを見てみると、白いタンポポがありました。

花弁が白いタンポポ

博物館お隣の樹林地にもあるシロバナタンポポとは異なり、花弁がうっすらレモン色っぽく見えます。シロバナタンポポは、不透明水彩絵の具の白色のように、花弁がはっきりとした白です。

シロバナタンポポ(博物館近くの株)

さらに、総苞(そうほう:花の受け皿の部分)のまとまり方も異なります。写真の上が、今回見つけた白いタンポポ、下が博物館お隣のシロバナタンポポです。

白いタンポポの総苞

シロバナタンポポの総苞

シロバナタンポポは、もともと西日本に分布する別種です。総苞がまとまりなく離れていますが、写真上の白いタンポポはガッチリとまとまり、カントウタンポポと同じです。
結論を言うと、この白いタンポポは、白花のカントウタンポポということになります。畑や果樹園など、農薬がまかれることのある場所ではよく見られます。
白花のカントウタンポポの撮影に熱中していると、ちょっと離れた場所で、オスのキジが堂々と歩いていました。

キジ(オス)

帰りがけに、近くの斜面に咲くヤマブキソウの開花状況を見て帰りました。

ヤマブキソウ

例年なら5月初旬が見ごろなのですが、今年は早めで、すでに満開になっていました。ちなみに、ヤマブキソウは、バラ科の小低木のヤマブキとは異なり、ケシ科の植物です。よく見ると花弁が4枚で、5枚のヤマブキとの大きな違いがあることがわかります。

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今週の一品 ~最後の縄文人が残した土器~

5月9日(日)まで、当館では考古企画展「変化の時代を生きた縄文人-相模原市域の縄文時代中・後期文化-」を開催しています。展示期間中の毎週火曜日に「今週の一品」として、展示資料の中から学芸員が選りすぐった一品を紹介しています。

第3回目は、どちらかというと隠れた一品という感じになりますが、川尻(かわしり)遺跡の縄文時代晩期(ばんき)の出土遺物を紹介します。

市内の縄文時代集落は、約5,000年前の縄文時代中期に激増しますが、約4,400年前から始まる後期には一転して減少へと向かい、特に後期後半から約3,200年前に始まる縄文時代終末の晩期になると、わずかな数の集落が知られているのみとなります。今回取り上げた川尻遺跡は、その数少ない集落遺跡の一つです。

川尻遺跡は緑区谷ヶ原二丁目付近に広がる遺跡で、縄文時代中期から晩期にかけての長期にわたる集落の変遷が確認された、市内でもまれな遺跡です。その重要性から南区の勝坂(かっさか)遺跡などと同じく、主な範囲が国指定史跡「川尻石器時代遺跡」として指定されています。

川尻遺跡の縄文時代晩期の住居跡(幅2mの調査区に住居の一部が発見されました。開いている穴は柱穴です。)

川尻遺跡で発見された縄文時代晩期の住居跡はわずか1軒ですが、今のところ市内における縄文時代最後の住居跡になっています。出土した土器は破片ばかりでしたが、地元の土器に加えて、東北地方の土器である亀ヶ岡(かめがおか)式土器の系列とみられる土器も出土しています。亀ヶ岡式系の土器は、薄手で精巧な作りが特徴で、写真に示した2点の土器は、器面が丁寧に研磨され黒色や黒褐色をしています。ちなみに右側の浅鉢(あさばち)形の土器は曲線の文様が描かれ、ベンガラ(酸化第二鉄)と推測される赤色顔料で赤く塗られています。

晩期の住居跡から出土した土器や石器

亀ヶ岡式系の土器(縄文時代晩期)

縄文時代終末期は遺跡が大変少ないため、当時の生活について不明な点も多いのですが、このような遺物から、同時期に多彩な祭祀(さいし)遺物や装飾性に富んだ土器や漆器などを発達させていた東北地方からの影響を強く受けていた最後の縄文人たちの姿をうかがい知ることができます。

今回紹介した資料は、考古企画展「変化の時代を生きた縄文人-相模原市域の縄文時代中・後期文化-」、「1 変化する集落の姿」のコーナーで展示しています。

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クワの木にいる大きなテントウムシ

4月24日に実施した生きものミニサロンで、クワの木にいる大きなテントウムシを見つけてくれた参加者がいて、大変盛り上がりました。その、ハラグロオオテントウについて、改めて紹介します。

ハラグロオオテントウ

このテントウムシは、大きさが1センチメートル以上もある日本では最大級のテントウムシです。もともと西日本に分布する種類でしたが、近年、関東地方へも分布を広げ、博物館周辺では2年ほど前から見られるようになりました。

ハラグロオオテントウ

このテントウムシがなぜクワの木にいるのかというと、はっきりとした理由があります。それは、こちらの不自然に折れた葉と関係があります。

不自然に折れたクワの葉

このように折れ曲がったり、しおれたように縮んだ葉の中を覗いてみると・・

折れた葉の中には必ず白いもじゃもじゃが

白い毛のようなもじゃもじゃがついています。さらに拡大すると・・

虫のようです

拡大してもわかりにくいので、もう少し季節が進んだ時に撮影した写真がこちらです。

クワキジラミの幼虫

これは、クワキジラミという昆虫の幼虫です。キジラミとは、カイガラムシやアブラムシなどと同じくカメムシに近い仲間で、植物の汁を食物にしています。白いもじゃもじゃは、幼虫がお尻から出すロウ状物質です。
クワキジラミは養蚕の盛んな地域では、クワの葉を傷める害虫として知られていました。ハラグロオオテントウも、もう少し早く分布を広げていたら、害虫を食べてくれる虫として神様の遣(つか)いのような扱いを受けていたかもしれませんね。

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「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」(No55・養蚕の祈願②)

これまでにも本シリーズで記してきたように、養蚕はこの地域でもっとも重要な産業の一つでした。そのため、蚕が上質な繭をたくさん作ることを願い、さまざまな行事や信仰が行われてきました。

最初の写真は、緑区相原で昭和63年(1988)1月15日に撮影された繭玉団子です。本シリーズNo.42・43でも紹介したように、小正月の行事として、各家で繭に見立てたたくさんの団子を木に刺したものを座敷に飾り、このように多くの繭ができるように祈りました。

そして次の写真には、皿に盛られた団子と左側には飼育途中の蚕が見えます。これは「フナゴ団子」と呼ばれるもので、蚕は盛んに桑を食べる期間と桑を食べずに脱皮する時がありますが、3回目の脱皮のフナドマリになると、蚕がある程度大きくなって一安心ということで団子を作って蚕室にお供えしました(昭和58年[1983]度文化財記録映画「さがみはらの養蚕」・南区東大沼撮影)。

 

市内には、各地に養蚕の際にお参りする神仏がありました。その中でも有名だった神社の一つが南区相模大野の稲荷社で、「蚕守稲荷(かいこもりいなり)」とか、地区名の「谷口(やぐち)のお稲荷さん」と呼ばれ、4月17日の大題目(おおだいもく)と称されるお祭りには主に女性が参拝しました。

二枚目の写真で左側の女性が持っているのが絵馬で、この絵馬を蚕室に飾ると蚕が当たると言われ、毎年お参りに来て古い絵馬を返し、代わりに新しい絵馬をいただきました(昭和62年[1987]年4月17日撮影)。

蚕室にはこうした絵馬のほか、お札を貼ることもありました。養蚕のお札を配る社寺も各地にあり、写真は緑区根小屋の蚕室で、八王子市寺田町の榛名(はるな)神社から出されたものです。「雹(ひょう)除」とあるのは、春先に雹が降ると蚕が食べる桑が駄目になってしまうということで、雹が降らないように願いました(平成28年[2016]8月6日撮影)。

 

最後の人形のようなものは「オキヌサマ」です。これを祀ると養蚕が忙しい時に、どこからか娘が現れてきて手助けしてくれるなどと言われ、中央区淵野辺本町の皇武(こうぶ)神社が本社とされています。ただし、地元にはほとんど信仰がなく、埼玉県や群馬県などで盛んに信仰されていました(平成3年[1991]10月17日)。

 

前回と今回にテーマとした養蚕の信仰に関わるものは石仏などにも見られます。次回はそうした石仏を取り上げてみたいと思います。

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博物館で大学の実習を行いました

4月24日午後、博物館の地階大会議室にはたくさんの鳥類の標本が並びました(さりげなく哺乳類も混じっていますが・・)。

大会議室に並べられた鳥類標本

これは、博物館から最も近い大学の一つである、青山学院大学の講座「野鳥の生態」の1コマとして博物館で実施した実習の様子です。今後、実際に学内の野鳥を調査する実習を前に、学生さんたちに鳥類の分類や、生態と関連した形態などを学んでもらうために博物館の標本を活用したいという講師の先生のリクエストにお応えしたものです。

標本を見つめる学生さんたち

学芸員が博物館資料としての生物標本の意義について講義した後、実際に標本を観察し、形態などから分類してなかま分けをしたり、図鑑を調べてキャプションを作ったりしました。こちらは、骨格標本から見た鳥類と哺乳類の相違点について解説しているところです。

骨格標本から哺乳類と鳥類の同じところと違うところを確認

終了後、学生さんに標本を収蔵庫へ戻す作業を手伝ってもらいながら、収蔵庫内も案内しました。

収蔵庫内の様子も見ていただきました

みなさんとても熱心に実習と講義を受けてくれました。標本が生物多様性の基礎資料であると同時に、こうした教材としてとても効果的なものであることを実感してもらえたと思います。

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生きものミニサロン「クワコをじっくり観察しよう!」を実施しました

4月24日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。
今回のテーマは「クワコ(カイコじゃないよ)をじっくり観察しよう!」です。まずはみなさんと一緒に、クワの木で今ちょうどふ化が始まっているクワコを探しました。といっても、なかなかの難題です。下の写真でクワコがどこにいるかわかりますか?

クワコは画面左下の方の葉の上です

この写真はまだわかりやすく撮影しているのですが、鳥のフンに擬態(ぎたい)しているため、結構見つけにくく、はじめはみなさん苦労して探していました。でも、目が慣れてくると次々と見つけ出します。

クワコ(2齢幼虫)

クワコを探していると、去年のクワコの繭や、さらにおもしろいものを見つけてくれた参加者がいました。

ハラグロオオテントウ

これはテントウムシの仲間で、ハラグロオオテントウと言います。大きさがなんと1センチメートルほどあり、この付近で見られるテントウムシの仲間としては最大級です。みなさん、スマホで写真を撮ったりしてとても盛り上がりました。

ハラグロオオテントウの登場に盛り上がりました!

観察のために捕まえて、ルーペ付きのセルビンでじっくり観察です。

セルビンに入れてじっくり観察

この虫については、食べ物に関してクワとの結びつきが強いので、また改めてこのブログでご紹介します。
さて、参加者のみなさんはさらに、クワコの卵も見つけてくれました。白いのがふ化後、黒っぽいのがふ化前です。

クワの枝に産み付けられたクワコの卵

じっくり観察していたら、あっという間に30分。クワコが大きく成長してから、そして蛾になる様子なども写真で紹介して終了しました。終了後、回りの木で生きもの探しをしていた参加者のお子さんが、さらにこんなものを見つけてくれました。

成長中のミノムシ(ミノガの仲間の幼虫)

ゴミが葉についているように見えますが、もぞもぞ動きます。
じつはこれ、作りかけのミノムシ(ミノガという蛾の仲間の幼虫)なのです。よく見慣れた長楕円形のものではないためわかりにくいのですが、成長しながら完成していく、その途中段階です。
コロナの関係で、あまり事前告知もできない中でしたが、たくさんの方にご参加いただき、楽しくミニサロンができました。
次回は5月15日(土)の実施となります。

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シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介㉞ ㋓相模線

沿線に のどかさ残る 相模線 (えんせんに のどかさのこる さがみせん)

 

少し間が空いてしまいましたが、職員ブログの「相模原ふるさといろはかるたでみる名所紹介」を再開します。

今回紹介する相模線は、茅ケ崎駅―橋本駅間の神奈川県中央部を縦断する約33キロの鉄道です。市域には現在、南から相武台下駅、下溝駅、原当麻駅、番田駅、上溝駅、南橋本駅、橋本駅の7駅が設置されています。その中でも、絵札、読み札にもあるように、市域南部の沿線ではのどかな風景の中を走る相模線の姿が見られます。

市域最南 相武台下駅にとまる相模線

特に、4月の相武台下駅周辺では、休耕田などに咲くレンゲ畑をたくさん見ることができます。

相武台下駅前のレンゲ畑と相模線

また、相模線は線路が単線で、ドアを押しボタンで開閉するなど、市内を走る他の横浜線や小田急線には見られない4両編成の趣(おもむき)ある車両です。なお、ラインカラーの水色は、相模川をイメージしたカラ―とのことです。

水色ラインの車両の先の線路が単線になっています(原当麻駅にて)

相模線は、1921年(大正10)に相模鉄道(現 相鉄グループ 相模鉄道㈱)により私鉄線として開業し、1944年(昭和19)に国有化、1987年(昭和62)にJR東日本の路線となりました。

1921年の開業時は、茅ヶ崎駅-川寒川駅間の6.44キロで、人員輸送以外に相模川で採取した砂利の運搬も主な用途でした。1926年(大正5)に寒川から厚木まで、そして1931年(昭和6)に市域の橋本駅まで延伸されました。

1935年相模線写真(中学生社会科副読本『私たちの相模原』掲載写真)

また、当初は今の番田駅が「上溝」で現在の上溝駅が「相模横山」など、駅名も現在と異なりました。駅名の変遷も比べるのも面白いと思いますので、下記の図をご参照ください。さらに、下図をよく見ると、戦前には市域内に上磯部と作ノ口にも駅があったこともわかります。

現在の番田駅。当初の駅名は「上溝」で、現在の上溝駅周辺に行きたい人が間違えて降りてしまうことも多かったそうです!

戦前の市域内の相模線路線図 (中学生社会科副読本『私たちのさがみはら』掲載図の抜粋)

さて、相模線は1921年に開業ということで、今年開業100周年になります。また、市域内の開業が1931年なのでちょうど90年、さらに1991年にディーゼルから電化となりちょうど30年と、まさに節目ぞろいの年になります。そこで、市では交通政策課を中心に、100周年開業記念事業としてロゴマークを制作などPRに取り組んでいます。詳しくは下記をご覧ください。

相模線開業100周年記念事業

博物館でも市交通政策課等と連携して、8月にミニ展示を開催予定ですので、ぜひご来館いただければ幸いです。

 

*このかるたは当館のボランティア「市民学芸員」が2017年に制作したものです。
*このかるたは相模原市立博物館にて貸出し可能です。
*貸出し詳細やかるたに関心のある方は、博物館までご連絡下さい(042-750-8030)。
*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒を必ず行って下さい。

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カザグルマも開花しました!

4月23日、博物館中庭に植えてあるカザグルマが咲きました。

カザグルマ(4月23日)

この株は、市内中央区の自生地から系統保存のために挿し穂で増やしたものです。
今年は花芽がちょっと少なめで、この株はもう一つ、つぼみがついているだけです。

カザグルマ 下に開きかけたつぼみがある

でも、少しずれて咲いてくれそうなので、ゴールデンウィークも前半までなんとか花が楽しるでしょう。
中庭の近くに咲いているエビネも見ごろです。ご来館の際はぜひ中庭(特別展示室入口の正面あたり)をご覧ください。
ところで、お隣の樹林地を歩いていると、ちょっと遠くで茶色いものが動きました。アナグマでした。

アナグマ

センサーカメラには夜間によく写るのですが、昼間はあまり見ません。ちょうどカメラを持っていたので、撮影することができました。数枚撮影できたところで、こちらを気にするでもなく、ヤブの中へのそのそと静かに入っていきました。

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今年はタンポポ調査

4月21日、市内緑区の西部、道志道(どうしみち:青山~青野原~青根の国道413号線)で、相模原植物調査会のみなさんとタンポポ調査を行ってきました。美しい里山の新緑です。

美しい相模原市緑区の里山

林道にも足を延ばして調査

これは、相模原市自然環境観察員制度の全体調査として今年度行われているものです。市内のタンポポ調査はもともと博物館で行っていたものを、同制度の中で行うようになった経緯もあり、博物館では全面的にサポートしています。普段の植物相調査でもよく訪れている場所なので、勝手知ったる調査地です。在来のタンポポと思われる大きな株も発見しました。

カントウタンポポ

せっかくなので、春の植物の開花状況も調べてきました。こちらはクマガイソウです。この春は軒並み花期が早いのですが、クマガイソウも例外ではなく、例年よりも10日程度早めでした。

クマガイソウ

フジも、例年ならゴールデンウィーク後半に満開となりますが、今年はすでに五分咲きくらいになっています。

フジ

ギンリョウソウもかなり早めの開花となっていました。

ギンリョウソウ

こちらはコミヤマスミレです。

コミヤマスミレ

少しジメッとした林内に生えるスミレですが、喜んで写真を撮って博物館へ帰り、ふと気づくとヤマビルに足首を吸血されていました。
花期だけでなく、当然ヤマビルの活動も早く始動するわけで、ちょっと油断していました。

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